「クローズアップ」日本躯体・東海躯体 躯体土工の有資格者を増やし、地位や賃金アップ図る
中部【2026/07/14 中部版に掲載】
左から日本躯体の大木勇雄会長と東海躯体の伊藤順一会長
日本建設躯体工事業団体連合会(日本躯体、大木勇雄会長)と東海建設躯体工業会(東海躯体、伊藤順一会長)は、名古屋市港区のポリテクセンター名古屋港で2026年の「日本躯体コンクリート打込み・締固め工団体検定」1・2級の実技・口述試験を行った。同検定は2021年3月、厚生労働大臣から社内検定としての認定を受け創設。25年3月には団体検定としての認定を受け、会員以外にも有資格者の拡大を図っている。また、本年からは筆記・実技の2段階検定制度も導入し、全国でより間口を広げ、受検機会を増やした。その経緯や現状など、大木会長と伊藤会長に話を聞いた。
―資格創設の経緯は。
大木会長「建設業の担い手不足が問題となっているが、とりわけ土工職は他の職方に比べても若者の入職が少なく、とびと比べても平均年齢が高い。コンクリート打設に専門特化する土工職の地位や賃金の向上を図り、職種として確立するためにも公的資格が必要だと考えた。強度が高く品質の良い鉄筋コンクリートを打設するためには、高い技術力を要する。資格で技能を見える化することで、品質を担保できるようにもなる」
伊藤会長「土工は資格がないというイメージが強い。一方で、経験や技術力を求められる。コンクリート工種の資格で、2級、1級とキャリアアップの道筋をつくり、1級技能者の年収はいくらだという目安がほしい」
―検定実施の手応えは。
大木会長「前年度までに1級234人、2級113人が合格した。21年創設時は社内検定だったが、25年には団体検定として認定され、会員などの従業員だけでなく会員以外も受けられるようになった。昨年度は会員以外からも合格者が出ている」
伊藤会長「東海地区では地元の中堅ゼネコンが建築する民間マンションも多い。そのコンクリート工を手掛ける会員以外の職人に裾野が広がれば、有資格者は爆発的に増えるのではないかと期待している」
大木会長「会員企業には、有資格者への手当てや賃金アップを呼び掛け、発注者にも資格者の高い品質に対して、単価の優遇を要望している。国土交通省が推進するCCUS(建設キャリアアップシステム)では、同検定の1級技能者はシルバー(レベル3)に当たると認定され、ゼネコン各社からも助成金などで協力いただいている」
―今後の目標は。
大木会長「日本全国でコンクリート工に携わる人が1万5000~2万人くらいいるという調査結果がある。最終的には、リーダー格となる1500~2000人くらいの技能者に資格を取得してほしい」
伊藤会長「CCUSの普及により、各専門工種で平均年収がわかるようになった。コンクリート工も有資格者を増やし、躯体土工として登録基幹技能者として区分できるようにしたい」
大木会長「コンクリートの質は建築物の寿命にも関係する。鉄筋コンクリートのマンションを購入する一般のエンドユーザーにも資格がアピールできれば、高品質な建物として付加価値や安心感が与えられる。価格にも反映できるようになれば、発注者の利益にもなる。コンクリート工の知名度を上げるためにも、よりPRに努めたい」
