東海地区型枠工事協同組合の新理事長に就任した 中村寛和(なかむら・ひろかず)さん
中部【2026/07/15 中部版に掲載】
中村寛和さん
「現場で働く職人が法や制度に守られ、誇りを持って働き続けられる業界にしたい」。穏やかな口調の奥に、強い決意がにじむ。
長年、理事や副理事長として組合運営を支え、今年5月にトップのバトンを引き継いだ。掲げるのは「維持と発展」、そして「協同」。急激な変化を求めるのではなく、前体制が築いた土台を大切にしながら、仲間とともに一歩ずつ歩みを進める構えだ。
これまで組合では、学校への出前授業や外国人材の受け入れ支援など、個社では難しい取り組みも組織の力で形にしてきた。そんな組合が今、最優先課題に据えるのが、「標準見積もり」の普及だ。材料費や労務費を的確に積み上げ、適正な積算に基づく価格形成の定着を目指す。「職人も自らの仕事の価値を理解し、顧客に説明できなければ、業界は育たない」と言い切る。
複数の現場を経験することで培われる「技術の蓄積」こそが、専門工事業の価値。「最新の工法を吸収し、ゼネコンに改善を提案できる技術と経験」が正当に評価される環境を整えることが使命がと考えている。
「躯体工事の出来栄えは型枠大工の腕次第」。完成した建物を見上げても、型枠大工の仕事が目に留まることはない。コンクリートが固まれば型枠は外され、跡形もなく消えていく。それでも「建物の形をつくった型枠大工の誇りが消えることはない」。
業界の未来を支えるのは人であり、仲間との結束だと信じる。「一丸となって型枠大工の魅力を伝えていきたい」。熱い想いが業界の骨組みをつくっている。
【略歴】関西大学工学部建築学科卒業。カネショウ工務店(一宮市)代表取締役社長。東海地区型枠工事協同組合では、2021年理事、23年副理事長就任を経て、26年5月から現職。54歳。
