建設トップランナーフォーラム(2)地域の課題、新技術で解決 「多機能化」で地域を守る

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 建設トップランナー倶楽部は、2000年代の公共投資の減少によって厳しい環境に置かれた経営者が集まり、業種の壁を越えた〝複業〟をテーマに組織された。農林水産業、環境ビジネス、介護ビジネスなどに進出し、地域の雇用を支えてきた多くの経営者が参加してきた。第20回建設トップランナーフォーラムでは、これまで20年間の集大成として、各社が進めてきた複業の成果や、本業である〝インフラの町医者〟としての取り組みを発表した。  木造建築を本業とする皆建(新潟県胎内市)が、緑化事業の一環として、「スナゴケを用いた防草緑化一体化シート」を開発したのは2008年のことだ。皆川一二会長は、「行政も企業も雑草対策に悩まされ、永遠の課題と言われていた」ことに注目し、課題解決に挑戦した。  同社が開発したのは、無機質な面でも生育するスナゴケの性質を生かし、防草シートを基盤としてスナゴケを飛散防止ネットで覆った一体型のシート。皆川会長は「従来の雑草対策の考え方を変え、メンテナンス費用はほとんど掛からず、土もいらず、施工も容易だ」とこのシートの優位性を強調した。  また、スナゴケは枯れることがないため、杉と比べるとCO2固着率の効果が早期に出る。シートに覆われているため、地表面からのCO2排出量の削減効果も期待できるという。  柄谷工務店(兵庫県尼崎市)は、多機能化によって地域のインフラを支えている。柄谷裕子副会長は「私たちの役割は、建物を建てることだけではない。人口減少、インフラの老朽化、災害の激甚化といった環境が変化しても、『まちを止めない』ことをグループの共通テーマとしている」と強調する。  柄谷工務店を中核として、建築、設備、物流、修繕、不動産管理、防災・減災など、専門性を持つ7社でグループを形成。柄谷副会長は「地域に問題が起きたときに『専門外』と答えるのではなく、必要な機能をつなぐことが重要」だと話す。  柄谷工務店は、県営・市営住宅の建て替えPFI事業にも参入し、「暮らしの土台である『住』を守る仕事もしている。建物を建てる会社から地域を支える会社に変わろうとしている」(柄谷副会長)。さらに、「大きな会社を目指すのではなく、地域の住民に『グループがいてくれて良かった』と言ってもらえる存在になることを目指したい」とも続けた。 (地方建設専門紙の会)