建設トップランナーフォーラム(6)新分野進出とインフラ維持 「建設業の実践力に感謝」

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 建設トップランナーフォーラムが初めて開かれた2006年は、小泉政権の「聖域なき構造改革」により、公共投資が年々減少していった時代だ。厳しい経営環境に向き合い、農業、介護、リサイクルなどの新分野に進出する建設業が増えた。米田雅子代表幹事の呼び掛けに応じた多くの経営者がフォーラムに参加し、20年間にわたって新分野への挑戦や地域建設業の役割を訴え続けてきた。  「地域建設業は孤独な闘いを強いられていた」。建設トップランナーフォーラムに初回から携わってきた荒木コンサルティングオフィスの荒木正芳代表は、フォーラムが始まった20年前をこう振り返る。新分野に進出する経営者に対し、「同業者や発注者からは『本業は大丈夫なのか』という目で見られた企業が多かった」(荒木代表)。  当時のフォーラムの参加者は、同じように生き残りをかけて新分野に進出する同業者に共感することができた。このことは、フォーラムがその後20年間継続してきた原動力にもなった。  東日本大震災以降、フォーラムでは、地域防災の最前線に従事する地域建設業、老朽化した社会インフラを守る地域建設業の役割も訴えてきた。米田代表幹事は「地域建設業は、環境の変化に合わせ、さまざまなことを実践できる。フォーラムが地域建設業の情報発信の場となることができた」と参加者に感謝の言葉を贈った。  米田代表幹事は、人口減少社会が本格的に到来し、市場が縮小すれば「一つの業態だけで自立するのはますます難しくなる。複数の本業を持ち、自立する方向性はこれからの時代に合っているのではないか」と主張する。荒木代表も「個々の企業の成長を超え、業界全体の価値向上につながった」と20年の成果を強調する。  国土交通省と農林水産省も協力し、建設トップランナー倶楽部の活動を支えた。米田代表幹事は「領域に囚われず、異なる分野の活動を受け入れてくれた両省に感謝したい」と話した。  第20回フォーラムの最後に、米田代表幹事は「地域建設業は、インフラの老朽化や自然災害の激甚化に加え、資材価格の高騰などの新たな課題にも直面している」と述べた上で、「不確実性が高まる中で、経営者は社会経済の変化を見極める動体視力を鍛え、時代の荒波を乗り越えなければならない」と指摘。  「フォーラムで鍛えた自立心と向上心を持っていれば、みなさんはこの荒波を乗り越えていけると信じている」と、最後のフォーラムを締めくくった。 (地方建設専門紙の会)(この連載 おわり)