7月16日は「国土交通Day」  四国地方整備局各部の取り組み

四国

今治湯ノ浦IC付近

 国土交通省四国地方整備局では、人口減少や高齢化、激甚化する自然災害など、四国が直面する課題に対応するため、各分野で地域の安全・安心と持続的な成長を支える取り組みを総合的に進めている。  四国8の字ネットワークの整備や防災・減災対策、流域治水、港湾機能の強化に加え、無電柱化、老朽化対策、ダム事業、砂防事業、カーボンニュートラルポートなどを着実に推進し、災害に強く、暮らしや産業を支える基盤づくりを進めている。併せて、建設業の担い手確保や働き方改革、生産性向上、インフラDXの推進にも力を入れ、四国の未来を見据えたインフラ整備を展開している。  7月16日は「国土交通Day」。国土交通行政の役割や重要性を広く知ってもらい、国民の理解と関心を高めることを目的としている。四国地方整備局の各部の取り組みを紹介する。 【道路部】 ○四国8の字ネットワークなどの整備(道路ネットワークの機能強化対策)  四国8の字ネットワークは、四国横断自動車道、四国縦貫自動車道、高知東部自動車道、阿南安芸自動車道で構成され、地方の中心都市を効率的に結び、平時における地域経済の好循環に資するとともに高次医療施設へのアクセス性を向上させる交通高速ネットワークであり、南海トラフ地震時の緊急輸送道路の確保や豪雨災害においても寸断されることのない安心・安全な道路ネットワークの確立を目指して整備を進めている。  四国地整では、四国8の字ネットワークの整備を最重要施策として取り組んでおり、1985年3月に四国で初めて高速道路が開通してから40年を超えた四国では、2026年4月7日(26年度当初予算成立日)時点で、四国8の字ネットワーク(約800㌔)の開通済み延長は約77%に達したところである。  また、防災・減災、国土強靱化の取り組みの切れ目ない推進などを基本的な考え方とした「第一次国土強靱化実施中期計画」が25年6月6日に閣議決定されたところであり、高規格道路の未整備区間の解消および暫定2車線区間の4車線化、高規格道路と代替機能を発揮する直轄国道とのダブルネットワークの強化など、道路ネットワークの機能強化に向け取り組んでいる。  26年4月7日には阿南安芸自動車道(牟岐~海部)が事業化され、残る未事業化区間は阿南安芸自動車道(美波~牟岐)となり、概略ルート・構造の検討を実施している。  また、26年度には、四国8の字ネットワークと本州とを連絡する今治小松自動車道 今治道路の一部「今治朝倉インターチェンジ(IC)~今治湯ノ浦IC」が開通予定である。 ○防災・減災対策  豪雨や冬期積雪時においても、安全で信頼性の高い道路ネットワークを確立するため、国道33号(愛媛県久万高原町)等では、落石防止工などの防災対策工事を実施する。  橋梁の耐震補強については、四国管内全域が「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されており、大規模地震発生時の橋梁の重大な損傷を防止するため、国道33号の富士見橋(高知県佐川町)等において、橋脚の巻立工などの耐震補強工事を実施する。 ○無電柱化の推進  激甚化・頻発化する災害や、児童の安全確保等に、より一層対応するため、26年度を初年度とする「第3次無電柱化推進計画」が策定されたところであり、整備中事業と併せ、無電柱化を着実に推進する。  また、低コスト手法の拡大および新技術・新工法の活用・情報共有を図り、計画、設計、工事等の各段階においてコスト縮減を進める。加えて、従来までの工事発注方式に代わるPFI事業の実施や包括発注方式等の活用などにより事業のスピードアップを図る。 ○老朽化対策  国道32号の郷見橋側道橋(香川県まんのう町)等において、支承防錆工などの橋梁補修工事を実施する。また、国道55号の水床トンネル(徳島県海陽町)等では、内面補強対策工などのトンネル補修工事を実施する。 ○渋滞対策   渋滞対策の取り組みとしては、ETC2・0などのビッグデータ等を活用し各地域の渋滞状況を把握した上で、バイパスや環状道路の整備、ピンポイント渋滞対策等を進める。  高松環状道路のうち高松市福岡町から檀紙町までの区間で計画段階評価を進めている。25年9月にはルート帯やIC位置を示した対応方針(全線バイパス)を決定した。引き続き、香川県と連携して都市計画や環境影響評価の手続きを進める。 ○交通安全対策  26年度を初年度とする「第6次社会資本整備重点計画」および「第12次交通安全基本計画」が策定されたところであり、「事故危険箇所」や「事故ゼロプラン(事故危険区間重点解消作戦)」等の対策を推進する。  国道11号の入野歩道整備(愛媛県四国中央市)、国道32号戸川視距改良(香川県三豊市)、国道55号寒葉視距改良(徳島県牟岐町)、国道56号蓮池交差点改良(高知県土佐市)等の整備を推進する。 ○自転車活用  26年5月29日に閣議決定された「第3次自転車活用推進計画」や各自治体にて計画された「自転車ネットワーク計画」を踏まえつつ、空間再配分による面的な自転車空間の整備を推進する。  また、愛媛県においては、27年5月25日(火)~28日(金)の4日間、世界最大級の国際自転車会議「Velo-city」が、日本では初めて開催される予定であり、26年度中には松山市内の直轄国道における矢羽根型路面標示を完了させる予定とするなど、より快適な自転車利用環境の構築が推進できるよう支援していく。 ○道の駅  24年に「道の駅」第3ステージ中間レビューと今後の方向性が示され、第3ステージのポイントである「まちぐるみの戦略的な取組」に向けて取り組む自治体と「道の駅」に対し、関係省庁一丸での支援を推進するための制度が構築された。この方向性の下「まちぐるみ」の取り組み、道の駅同士の連携強化等を推進する。  なお、災害時に広域的な防災拠点となる「道の駅」を「防災道の駅」として四国4県で8カ所を選定しており、防災拠点としての役割を果たすためのハード・ソフト両面からの支援を行い、防災機能の強化を推進する。さらに、子育て応援施設の整備を推進する。  また、自治体の地域防災計画等に位置付けられた「道の駅」や高速道路のサービスエリア等の自動車駐車場を「防災拠点自動車駐車場」として指定しており、災害時において、広域的な災害応急対策を迅速に実施するための拠点整備を推進する。  また、能登半島地震の対応の中で、さまざまなタイプの高付加価値コンテナが現地支援で有効に活用されたことを踏まえ、平常時の地域活性化や災害時の防災機能の強化を狙いとした高付加価値コンテナの活用に向けた、ガイドラインを24年4月に策定した。  四国においても、防災拠点として位置付けられている4カ所の「防災道の駅」において、コンテナトイレを導入し、平常時は「道の駅」のサービス機能向上に活用、災害時は被災地へ派遣して被災地のニーズに対応する。 ○i-Construction2・0(施工のオートメーション化に向けた取組)  山岳トンネル工事においては、自動施工技術等の試行を通じて、活用に関する技術基準類の整備を図るとともに、現場での活用や技術開発を促進する。25年度には、安芸トンネルで全国初となる総合評価落札方式「技術提案評価型SI(エスイチ)型」の試行工事が実施されており、今年度も、山岳トンネル施工のオートメーション化に向け、省人化施工に関する試行工事を生見トンネルで実施する。 【河川部】 ○流域治水の加速化・深化   気候変動による水災害の激甚化・頻発化に対応するため、河川整備基本方針や河川整備計画の変更を進めるとともに、既存施設の徹底活用を図りつつ、河川整備、ダム建設・再生、砂防、海岸、水道、下水道等の事前防災対策を加速する。また、これまでに肱川水系都谷川等(一級河川)、仁淀川水系日下川等(一級河川)および中川等(二級河川)で特定都市河川の指定を行っており、今後も同指定や流域水害対策計画の策定を進める。あらゆる関係者の協働により、水害リスクを踏まえたまちづくりや貯留・浸透機能の向上を図ることで、流域全体でハード・ソフト一体となった「流域治水」の加速化・深化につなげていく。 ○河川改修事業   吉野川上流や旧吉野川・今切川では無堤地区の堤防整備を進め、土器川では堤防の引堤を実施する。また、物部川や仁淀川、四万十川、重信川では河道掘削、那賀川では漏水対策などを実施し、治水安全度の向上を図る。加えて、25年度に特定都市河川に指定した肱川の支川都谷川で、都谷川排水機場の工事を推進する。  また、南海トラフ地震の対応が喫緊の課題とされる中、地震後に襲来する津波(想定津波)による浸水被害を防ぐため、旧吉野川および今切川では河川堤防の嵩上げ等による地震・津波対策を、四万十川では樋門の補強を実施するなど、南海トラフ地震への対応を着実に推進する。 ○ダム事業   洪水被害の軽減、流水の正常な機能の維持等の治水・利水機能の向上を図るため、ダム事業を推進する。  肱川水系では、山鳥坂ダム建設事業を推進しており、25年7月には、ダム本体工事に先立ち、河辺川の流れを一時的に切り替える転流を開始し、その後、本体工事に着手した。26年度は、本体工事の本格化に加え、新たにゲート設備工事を実施するとともに、引き続き付替道路工事、用地補償等を進める。また、野村ダムでは、堰堤改良事業として、放流管の設置および増設減勢工の施工を実施する。  那賀川水系では、長安口ダム改造事業における堆砂除去や長期的堆砂対策の検討、さらに小見野々ダム再生事業における既設ダム活用検討調査を、引き続き行う。  吉野川水系については、柳瀬ダムの堰堤改良事業により実施している地すべり対策工を継続して実施する。 ○総合水系環境整備事業   26年度は、「吉野川上流かわまちづくり」および「石手川かわまちづくり」に新規着手する他、重信川、四万十川で「かわまちづくり事業」を引き続き推進する。このうち、「吉野川上流かわまちづくり」では、「にし阿波の花火大会」の観覧席として活用できる階段護岸の整備に着手する。また、「石手川かわまちづくり」では、27年5月に開催が決定している国際自転車会議「Velo-city2027Ehime」の通行ルートとして活用できる河川管理用通路の整備に着手し、石手川の河川空間を活用した自転車等の移動環境の創出を図る。  また、旧吉野川、那賀川、四万十川では、河川が本来持つ生物の生息・生育環境や多様な河川環境の保全・復元を目的とした「自然再生事業」を実施する。    この他、吉野川上流の早明浦ダムでは「早明浦ダム周辺地区かわまちづくり」を、中筋川では中筋川ダム・横瀬川ダム周辺を対象とした「中筋川流域かわまちづくり」を、それぞれ地元自治体が計画するかわまちづくり事業と連携し、ダム周辺を核とした流域一体の活性化を図るため、貯水池周辺における水辺整備を継続する。 ○砂防事業   吉野川中上流域および重信川上流域において、流域の土砂災害に対する安全性の確保、地域の暮らし、産業・なりわい、ダム貯水池の保全などを目的として、砂防事業および地すべり対策事業を推進する。  なお、砂防事業については、土砂・洪水氾濫対策計画の被害想定および施設配置計画の見直しが、吉野川中上流域では23年度に、重信川上流域では25年度に完了しており、当該計画に基づき事業を推進する。   ○海岸事業  津波による浸水への対策を早期に実施するため、25年度より香南工区(高知県香南市)の海岸堤防の地震・津波対策を新たに直轄化しており、26年度は、堤防工事に着手する。  高潮災害および海岸侵食対策については、引き続き、戸原工区(高知市)の突堤延伸および養浜を推進する。 ○上下水道事業  25年1月の埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損に起因する道路陥没事故等の教訓を踏まえ、事故発生時に社会的影響が大きい上下水道管路の老朽化対策を推進する。同時に、能登半島地震の教訓も踏まえ、人口減少下においても必要な上下水道サービスを維持していくため、システムの分散化によるコンパクトなインフラ整備や、市町村域を超えた事業運営の一体化、料金の適正化、官民連携などの取り組みを、地方公共団体が強力に推進できるよう支援する。 【港湾空港部】 ○港湾整備事業・港湾海岸事業   四国の産業競争力強化に資する国際物流ターミナルの整備や、国内物流ニーズを安定的に支える内航フェリー・RORO輸送網の構築に向けた複合一貫輸送ターミナルの整備を推進する。また、切迫する南海トラフ地震・津波等に備えた防災・減災、国土強靱化を推進するため、防波堤の改良を実施するとともに、港湾施設等の老朽化対策や開発保全航路の保全等を計画的に実施する。  国際物流ターミナルの整備については、徳島小松島港において岸壁や泊地の整備を実施するとともに、松山港、高知港において防波堤の延伸等を実施する。  複合一貫輸送ターミナルの整備については、26年度新規事業として採択された三島川之江港で岸壁の設計等を実施する。また、高松港において岸壁の整備を実施する。  防災・減災、国土強靱化については、高知港において、南海トラフ地震・津波に対する港湾機能の確保および背後地域の被害の最小化を図るため、三重防護の考え方の下、既設防波堤の嵩上げ等とともに、湾口・浦戸湾地区の海岸堤防等の耐震化・嵩上げ等を実施する。また、須崎港、宿毛湾港において、津波に対し減災効果のある既存防波堤の改良等を実施する。  老朽化対策については、徳島小松島港において老朽化した防波堤の改良を実施する。  開発保全航路の保全については、備讃瀬戸航路、来島海峡航路等で水深測量等を実施する。 ○空港整備事業   26年度新規事業として、高松空港において、就航率改善を図るためILS高カテゴリー化事業が採択された。今年度は現地調査を実施する。また、四国管内4空港において、航空機の安全な就航を確保するため、滑走路端安全区域の整備等を実施する。この他、松山空港において構内道路の整備を行う。 ○カーボンニュートラルポート(CNP)形成の推進   脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素・アンモニア等の受け入れ環境の整備等を図るカーボンニュートラルポートの形成を推進するため、港湾管理者が主体となり港湾脱炭素化推進計画の策定を進めている。四国では、すでに管内10港で同計画を策定・公表し、官民で連携して取り組みを進めるとともに、新居浜港においては港湾脱炭素化推進計画の内容を踏まえ、港湾計画改訂に向けた検討が進められている。  また、四国地方整備局では、CNP形成に向けた機運を醸成し取り組みを促進するために港湾管理者や事業者を対象とした四国CNP勉強会を開催しており、今年度も引き続き実施する。 ○クルーズの持続的な成長に向けた取り組み、「みなと」を核とした地域振興   25年の四国へのクルーズ船寄港回数は計190回となっており、これまで過去最高であった23年の109回を上回り過去最高を更新した。そのうち外国船の寄港回数は149回であり、新型コロナウイルス感染拡大前のピーク水準である19年の60回、過去最高であった23年の95回を大きく上回っている。26年も多くのクルーズ船の寄港が予定されており、今後も関係機関との連携を図りながら、受け入れ環境等の整備を推進する。  また、地域住民の交流や観光の振興を通じた地域の活性化に資する「みなと」を核としたまちづくりを促進するため、みなとオアシスの活性化ならびにみなとオアシスの登録へ向けた取り組みを引き続き支援する(みなとオアシスの登録数は四国では16カ所、全国では171カ所(26年6月6日時点))。 【企画部】 ○魅力ある建設業界に向けて   四国地方では全国に先行して人口減少や高齢化が進行しており、地域のインフラを適切に整備・維持していくためには、建設業界の健全な維持・発展が不可欠である。このため、「給料・休暇・希望」に「カッコよさ」を加えた〝新4K〟の実現が、これからの建設業界にとって重要な鍵となる。  四国地方整備局では、建設業界が若者にとっても魅力ある業界に発展していくよう「働き方改革」「生産性向上」「担い手確保」の取り組みを一体的に力強く推進していく。 ○労働環境の改善   建設業にも時間外労働の上限規制が適用されており、労働環境を整える必要がある。このことから週休2日工事では、「発注者指定方式(現場閉所)」を基本として、25年度より本官工事は、全ての工事で完全週休2日(土日祝)、分任官工事は、全ての工事で完全週休2日(土日)としている。また、四国内の県市町村で構成する発注者協議会(四国品確協)では、26年度の方針である県・市町村も含めた「全工事週休2日(土日)」の達成を目指して取り組んでいる。一方で、建設現場には地域性や工程、気象条件など多様な特性があることから、全ての現場に一律の休み方を求めるのではなく、より柔軟な働き方が選択できることも重要と考えており、今後においては建設業団体の意見も踏まえ、受注者の自主性を尊重しつつ、地域の実情や現場の状況等に応じて、建設産業として多様な働き方の実現に向けた支援を行う。  書類の削減・簡素化では、18年度に「工事関係書類等の適正化指針(案)」を策定し、19年度より本格運用を実施している。毎年フォローアップと改訂を重ねており、25年度末にも内容を更新した。  これにより、受発注者双方の負担軽減を進めてきたが、いまだに「発注者との協議資料が多い」「発注前の調整・検討不足により着工までに期間を要す」などの意見が寄せられていることから、設計段階から工事実施段階までの工事に関する発注者の留意点をとりまとめ、年間業務サイクルの見直しと、フロントローディングの考えを導入することにより、工事の円滑化、確実な事業進捗を図ることを目的に、23年度に「発注者の心得」を作成し、その後、発注者と設計業務受注者が共通の認識を持つことで、設計成果の品質を向上し、設計の思想を確実に工事に引き継ぐことを目的に「設計照査のポイント」を24年度末に策定した。さらに、多くの現場で認識の「ズレ」が発生している実態が明らかになったことから、発注者・施工者・設計者の三者による意見交換会を実施し、「発注者の心得」を補完する実務資料として「設計と現場のズレ解消のポイント」を25年度末に策定した。これにより設計・発注・施工の各段階において、誰が・いつ・何を行うべきかを具体的に整理し、ズレを最小化するための実践的な指針を示した。今後これらを用いて、設計成果品の品質向上を図り、建設現場の生産性向上や働き方改革を推進していく。 ○猛暑対策   近年の記録的な猛暑への対策として、25年12月に策定した「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」を踏まえ、猛暑期間を休工可能とする工事発注の実現に向け、効果や必要となる費用・取り組みの調査を目的とした試行工事を25年度補正予算で発注した。26年度予算においても試行を拡大する予定であり、今後は試行工事を通じて課題の整理や改善の検討を進める。また、熱中症リスクの高い作業(外業)が猛暑期間にかからないよう、あらかじめ工程調整を行った上で猛暑期間を回避した工事発注を行う。  熱中症対策にかかる費用については、25年度より「現場環境改善費」の率計上から切り離し、「現場環境改善費」の率計上の50%を上限に積み上げ計上としていたが、26年度では、熱中症対策・防寒対策にかかる費用を「現場環境改善費」の率計上の100%を上限に設計変更することとしている。  今後においても、猛暑下での作業環境の改善と持続可能な建設現場の実現を目指して取り組みを進めていく。 ○生産性の向上と人材育成   インフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)では、i―Constructionの推進を通じてUAV測量・ICT施工等、ならびにBIM/CIM原則適用によって設計・施工におけるデジタル技術の積極的な活用を進めることで、建設現場の生産性の向上と働き方改革につなげる。  24年4月にはi―Construction2・0が発表された。40年を目標に現場のオートメーション化を進め、作業員一人当たりの生産性を向上させることで、約3割の省人化(生産性1・5倍)を目指す。  25年度の四国地方整備局でICT活用対象工事として発注された321件のうち、275件(約86%)で活用された(港湾工事除く)。ICT土工以外の工種における活用件数の増加も注目される。26年度も引き続き、さらなる取り組みの拡大を図る。  26年度のICT施工の新たな取り組みとしては、ICT法面工(植生基材吹付工)の吹付厚さへの適用拡大を行い、舗装工事においては「地盤変形量測定装置を用いたプルーフローリング管理要領(案)」「表面温度測定装置を用いたアスファルト舗装の温度管理要領(案)」が新たに策定され、さらなる活用が期待される。また、ICT施工未経験企業等への普及促進のため、小規模工事を対象に導入型ICT活用工事の要領を新たに整備した。  ICT施工の原則化へ向けた措置として、25年度に、「ICT土工」および「ICT河川浚渫」についてはICT施工の原則化を開始しており、26年度からは、「ICT舗装工」においては発注者指定型の範囲を拡大し、「ICT地盤改良工」のうち固結工(中層混合処理)、固結工(スラリー攪拌工)においては、ICT施工の原則化を開始している。その他のICT施工対象工種は、取り組み状況を確認しながら、順次原則化に向けた検討を実施していく。  BIM/CIM導入の目的は、建設事業で取り扱う情報をデジタルデータとして統合管理することで、受発注者のデータ活用・共有を容易にし、建設生産・管理システム全体の効率化を図ることである。3次元モデルや点群データ、GISなど、目的に応じたデータやツールを活用することで、効率的な事業推進が可能となる。  23年度からのBIM/CIM原則適用では、中小規模の企業を含め裾野拡大を目的に「視覚化による効果」を中心に未経験者も取り組み可能な内容の「義務項目」を設定し、原則全ての詳細設計・工事において、受発注者が3次元モデルを活用することとしている。「視覚化による効果」の他「3次元モデルを利用した解析・シミュレーション」など高度な内容を含む活用内容を「推奨項目」として設定し、特に大規模構造物や条件が複雑な業務・工事において、積極的な活用を進める。  これからのインフラ分野のDXについて、四国地方整備局では、社会資本整備や公共サービスの改革を推進するとともに、地域建設業および局内の働き方を改革し、建設業の生産性の向上を図り、インフラへの住民理解を促進し安全・安心で豊かな生活を実現するため、各部局が横断的に連携してインフラ分野のDXを推進することを目的とし、21年8月に「四国地方整備局インフラDX推進本部会議」を設置している。       26年度はインフラDX『実践の年』として、i―Construction、BIM/CIMなどを活用する地域の建設企業や国・地方自治体の技術者の人材育成・技術力の底上げとICT建機を用いた新たなデジタル技術の普及促進に引き続き取り組む。BIM/CIMや各ICT施工プロセスに応じた、最新技術の体験、気軽に使えるデジタル技術を活用した研修などを四国各県で開催するとともに、地域建設業へのDXの展開として、地域の担い手・守り手である地域建設業の事業継続維持に向け、地域建設業が主に担っている維持管理作業におけるDX活用事例を積極的に展開する。  また、26年2月に四国技術事務所内へ「四国インフラDX人材育成センター」を開設し、建設業界に従事する技術者のみならず、学生など幅広い層を対象として、デジタル技術に関する体験機会の提供や研修等を実施している。   ○建設業の魅力の発信、担い手確保   25年度から、「建設DX省人化モデル工事」として、四国地域の建設企業が、生産性の向上、省人化を目的に新たなデジタル技術を活用し、働き方改革に取り組むことを促すとともに、地域の建設企業が新技術にチャレンジする契機とするために、モデル工事の見学会を通じた普及・展開を実施している。さらに、将来の担い手となる子どもたちやその保護者に建設業の進化をPRすることを目的とした「建設DX参観日」を26年1月に愛媛県(今治道路など)で開催した。今年度は残る3県での開催を予定している。  また、四国地方整備局が事務局を担う四国建設広報協議会では、「建設フェア四国2026in高松」を26年11月25日(水)~26日(木)に、あなぶきアリーナ香川(メインアリーナ)で開催する。「建設フェア」では、一般の人たちに対して、新工法をはじめとする建設技術や研究成果等を情報発信することで、暮らしと建設技術との関わりへの理解を深めていただく。合わせて、将来の担い手確保を目的として、大学生・高専生・高校生などの幅広い層の人たちに、最先端の技術を直接触れてもらうことで、建設産業の魅力を実感していただく。