個人頼りの施工管理を転換 未来につながる技術者制度に 国交省検討会

中央
 国土交通省は7月13日、「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(第2期)を2年ぶりに開き、今後の制度改正を見据えた議論を開始した。国交省は、これまで技術者の「経験」「心意気」が適正施工を支えてきたとしつつ、人材の流動化や働き方改革に対応するため、個人の役割を代替する仕組みが必要になると問題提起。専任制度や技術者要件といった論点を挙げ、「人材を大事にし、未来につながる技術者制度」への転換に向けた検討を求めた。  開会に当たり、藤田昌邦大臣官房審議官は、技術者の担い手不足や高年齢化、働き方の変化といった例を挙げ、「(技術者制度を規定する)建設業法が制定された75年前から大きく環境が異なってきている」と述べた。「技術者がその能力を発揮し、活躍できる環境を整えることが不可欠だ」と述べ、活発な議論を求めた。  21年度に始まった技術者制度検討会で、ICT活用による技術者の2現場兼任や技術検定の受験要件見直しなど短期的な課題とされたテーマは、既に法令改正により具体化した。7月からは中長期的な検討課題として、専任要件のさらなる合理化や工事経験の可視化、悪質な不正行為に対する技術者への罰則規定を議論する。主任技術者の第三者機関による統一確認、対応する資格がない業種の検討についても深掘りする。  25年度に開かれた建設業政策に関する勉強会でも、一律の技術者配置を求める現行制度に対し、「チーム力」による品質確保や、「元下間の役割分担の最適化」を目指すべきとされた。こうした議論も踏まえ、検討会であるべき制度を議論する。  13日の検討会では、直近の社会状況を踏まえ、地域建設業・専門工事業を中心に技術者の担い手不足が進行する中でも適正な施工を確保する仕組みを検討することとした。  制度上、技術者個人が負っている適正な施工確保の役割について、個人が蓄積した知見や意識に支えられている側面があることも指摘された。建設業法の規定以外にも、実際には現場条件に応じた修正設計や災害対応、現場代理人との兼務など幅広い役割を担っていることにも触れ、技術者の役割に対する社会的認知・評価を高める仕組みも論点の一つとされた。  今後の議論を見据え、▽専任制度▽技術者要件▽技術研さん▽資格者証と講習▽受験環境▽制度、手続きの簡素化▽職務、名称の定義(社会的地位の確立)▽施工管理力の評価(キャリアプランの具体化)―といった着眼点も示した。  検討会の座長には引き続き、小澤一雅政策研究大学院大学特別教授が就いている。26年度内に3回程度、検討会の開催を予定。建設業政策全体の検討の場として9日に始まった「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」で連携して議論を深める。