27年度以降に改築・改修 自然公園内の大規模施設 都環境局
東京【2026/07/28 東京版に掲載】
東京都環境局は、自然公園内の大規模施設の改築やリニューアルを2027~36年度の10カ年で実施する。10ある自然公園の大規模施設を対象に、改築やリニューアルの優先順位を見定めて、27年度にも基本計画をまとめる。特に秩父多摩甲斐国立公園内にある「山のふるさと村」のリニューアルをリーディングプロジェクトとして進める。
自然公園は、自然公園法に基づいて、環境大臣や都道府県知事から指定を受ける公園で、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園の3種類がある。指定されると、土地の形状変更や工作物の設置、木竹の伐採などの各種行為が制限される。
都内では▽秩父多摩甲斐国立公園▽富士箱根伊豆国立公園▽小笠原国立公園▽明治の森高尾国定公園▽滝山自然公園▽高尾陣馬自然公園▽多摩丘陵自然公園▽狭山自然公園▽羽村草花丘陵自然公園▽秋川丘陵自然公園―の10公園・7万9822㌶が指定を受けている。
土地所有区分は国有地が7579㌶(9・5%)、公有地が2万3037㌶(28・8%)、私有地が4万4863㌶(56・2%)、調査未了が4403㌶(5・5%)で、区域の過半が私有地となっている。
■自然公園ビジョン改訂へ
都は自然公園の目指す姿を示す「東京の自然公園ビジョン」を17年5月に策定した。30年間の長期計画となっており、社会状況などの変化に対応するため、10年ごとに改訂を行うとしていた。
現行計画は26年度が最終年度。このため26年度末の改訂を目指し、学識経験者などで構成する東京都自然環境保全審議会で議論を深めている。
7月17日の同審議会の計画部会で示された改訂の考え方(案)よると、次期計画期間の27~36年度で取り組む新規施策に、自然公園内の大規模施設を改築・リニューアルする方針を掲げた。ビジターセンターや宿泊施設といった大規模施設の多くは築40年が経過。コロナ禍以降は利用者のニーズが変化している他、建物のゼロエミッション化を図るため、改築やリニューアルを行っていく。
対象になる主な大規模施設は、国立・国定公園では、秩父多摩甲斐国立公園内の山のふるさと村(奥多摩町川野1740)に立つビジターセンター(鉄筋コンクリート造平屋578平方㍍)やクラフトセンター(鉄骨造2階建て延べ819平方㍍)、同国立公園の御岳ビジターセンター(青梅市御岳山、鉄筋コンクリート造2階建て延べ452平方㍍)、明治の森高尾国定公園の高尾ビジターセンター(八王子市高尾町、鉄筋コンクリート造平屋748平方㍍)など。
また、小笠原国立公園内の小笠原ビジターセンター(小笠原村父島西町、鉄筋コンクリート造平屋924平方㍍)、富士箱根伊豆国立公園内の八丈ビジターセンター(八丈町大賀郷、鉄筋コンクリート造平屋1019平方㍍)や大島公園動物園(大島町泉津)が候補となっている。
一方、都立自然公園では、秋川丘陵自然公園内の小峰ビジターセンター(あきる野市留原284ノ1、鉄筋コンクリート造2階建て延べ361平方㍍)を対象にする。
これらのうち、山のふるさと村の施設については、25年度に先行して緑政計画研究所(千代田区)が改築・改修に向けた基本計画策定業務を手掛けた。
■トイレのバリアフリー改修、トレイルの更新も
他の新規施策を見ると、自然公園区域内に都が設置したトイレを、バリアフリーやユニバーサルデザインなどに配慮して、改修する。
また、既設の遊歩道を、体力に自信のない人や自然とのふれあいに慣れていない人も短距離から気軽に楽しめるよう「ショートトレイル」へ更新する。
クマ対策として、多摩地域の自然公園施設には、電気柵やクマよけの鐘などを設置する。
多摩地域のナラ枯れ被害を最小限にとどめるため、都有地や借受地の樹木を定期的に点検。ナラ枯れなどの影響が見られる樹木については、剪定(せんてい)や伐採などの適切な処理を実施する。
