こんな会社で働きたい!(1)学生が見たい本当の姿

広島

ホンネのカイギでプレゼンした6人の学生

 人材獲得競争が激しさを増す中、多くの企業が給与や福利厚生、働きがいなどを前面に打ち出して学生にアピールしている。だが、学生たちは本当に待遇を比較して企業を選んでいるのだろうか。  大学生共創コミュニティ「S―colle(エスカレ)」の企画・運営で7月11日に開催された「ホンネのカイギ」。全国から開催地の福山市に集まった6人の学生が、就職活動の悩みや企業選びの基準について率直に語り合った。  連載企画「こんな会社で働きたい!」では、学生たちの“ホンネ”を探り、選ばれる企業の特徴を考える(全2回)。  「ここなら働きたいなって思う理由はやっぱり“人”なんですよね」。そう話したのはエスカレで代表を務める九州大学の金盛舜也さん。動画編集など興味のある分野はあるものの、「やりたいことが分からなくなる時がある」。その答えを探そうと、現在は私立高校で講師を務めたり、エスカレの活動に取り組んだりと挑戦を続ける。  そうした中で、企業の現場を見る機会も増えた。社長が社員と一緒になって汗をかく姿、働く社員の楽しそうな姿を見ると、「仕事内容以上に誰と働くか、誰の下で働くかが大事なんだ」と感じている。  福山大学の村上風華さんは、大学で開催された合同企業説明会に参加した際の出来事を話した。会社説明をしてくれた採用担当者が終始、同じトーンで企業概要や待遇面などを紹介。「真顔でスライドを読むだけのような説明で、働かされている感じがあった」といい、その会社で働くことに疑問を持った。  就職活動を終えた東京都市大学の角田朋華さんも最終的な決め手は同じだった。3社から内定を得たが「どんな人たちと働くことができるのか」で就職先を決めた。  ある企業を訪問した際、不器用そうな社員に対し、先輩社員が強い口調で接する様子を目にした。「もし自分が失敗したら、この会社ではどのように扱われるのだろう」。わずか数秒のやり取りだったが、会社説明では見えない組織の空気がそこに表れていた。会社説明で本当に知りたかったのは、「そこで働く大人の姿だった」と就職活動を振り返る。  さらにこんなことも言っていた。「就職活動を始めるまでは仕事内容で会社を選ぶものだと思っていた」。だが、実際には違った。「どんな人に出会えるか、どんな力が身に付くか、そしてどんな大人になれるか。この人たちと働いたら自分はどう変わるのか。私はそこを見ていたのだと思う」  給与や福利厚生、働きがいももちろん大事だ。しかし、学生が見ているのは待遇や仕事内容だけではない。働く人の表情や職場の空気こそが最後の決め手になっている。その会社にいる「人」を見ていると感じた。