標準労務費、元請けに定着を 現場向け広報媒体を展開

中央
 建設産業専門団体連合会(建専連)と国土交通省は7月30日、都内で技能者の処遇改善に向けた意見交換を行った。建専連は、元下契約の見積もり時に標準労務費が確実に活用されるよう実効性確保を要望。国交省は、標準労務費の活用を企業単位で働き掛けるだけでなく、実際に見積もりに関わる現場所長にも焦点を当てる方針を説明。伊勢尚史大臣官房参事官は「現場で使える広報媒体を作成し、草の根的に周知していく」と述べた。  建専連の岩田正吾会長は、改正建設業法の全面施行以降も「契約決定権のある元請けの担当者のマインドが変わっていない」と述べ、「価格競争から質の競争への流れをつくってほしい」と国交省に呼び掛けた。大木勇雄副会長は、標準労務費の活用に向けた周知啓発と建設Gメンによる監視・指導の強化を要望した。  伊勢参事官は、建設Gメンによる個別の調査に加え、商慣行の転換を促す必要性を協調。「労務費基準の制度運用の中で、コミュニケーションを取りながら進めていく」と述べた。  三野輪賢二副会長は、酷暑での作業を回避するため、夏季作業の休工を「新たな慣行として定着させたい」と提言した。直轄工事での試行拡充や、業界を挙げた環境整備を要望した。  国交省の大臣官房技術調査課の関健太郎建設システム管理企画室長は、暑熱環境での作業回避に向け、休工や作業時間帯の調を全国の工事20件程度で試行していることを説明。工期や経費への影響を検証し、地方自治体や民間発注者にも好事例を展開するとした。  建専連の佐藤隆彦副会長は、建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者の就業履歴を確実に蓄積するため、民間工事を含めた全ての現場でのカードリーダー設置に向けた取り組みを求めた。  国交省の小川洋輔建設キャリアアップシステム推進官は、都市局の補助事業を利用する自治体に対し、カードリーダーの設置費用などにも充てることができるとの通知を発出したことに触れ、引き続き積極的な活用を促す考えを述べた。  CCUSを運営する建設業振興基金の長谷川周夫専務理事は、25年度のカードタッチ数が6666万件だったことを説明。「着実に伸びている」としつつ、現場入場のたびにタッチできているのはごく一部にとどまるとし、中小建設業やハウスメーカーにも利用を働き掛ける考えを示した。