荒岡義和氏(あらおか・よしかず=オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント取締役副社長)

広島

荒岡義和氏(あらおか・よしかず=オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント取締役副社長)

 老朽化した設備を今後、どのように維持・管理あるいは更新していくのか。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を背景に急増した太陽光発電設備への対応が注目される中、オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)は、太陽光発電所・蓄電所向け設備エンジニアリングサービスを本格化した。4月に建設業許可を取得し、従来の運営・維持管理(O&M)に加え、設備の修繕・更新工事まで一括対応できる体制を整えた。  FIT制度開始初期の発電所では、運転開始から10年以上が経過し、太陽光パネルやパワーコンディショナ(PCS)、ケーブル、遠隔監視装置、空調設備などの更新需要が高まっている。  荒岡義和取締役副社長は「通常のメンテナンスの範囲で直せるものから、だいぶ様子が変わってきた」と話す。これまでは500万円未満の小規模修繕が中心だったが、設備劣化や自然災害による被害が大きくなると、500万円を超える工事も発生する。そこで建設業許可の取得により、一定規模以上の工事を請け負えるようにした。  取得した許可は、特定建設業の土木工事業と電気工事業、一般建設業の管工事業。電気・管工事では、太陽光パネルやPCS、ケーブル交換、空調設備更新などに対応する。土木工事では、のり面や盛土の補修、災害復旧、排水路改修などを想定する。近年は風災害や落雷によるパネル破損、集中豪雨による地盤崩れも出ているという。  これらに加え、今後の事業の柱の一つと位置付けるのがリパワリングだ。老朽化したパネルやPCSを更新し、発電性能を回復・向上させる取り組みで、同じ敷地内でも機器性能の向上やシステム構成の見直しにより、発電能力を高めることができる可能性がある。荒岡氏は「必要があれば、設備のシステム構成を変えることも含めて対応していく」とする。  設備更新に伴う撤去後の太陽光パネルの処理も課題だ。一定程度発電できるパネルについては、健全性を確認した上でリユースや再販売につなげる想定で、同社は古物商許可も取得している。荒岡氏は、市場拡大を見据え、リユース・再販売を事業メニューの一つとして確立したい考えを示す。一方、リサイクルは手作業に頼る部分も多く、大量処理には課題が残る。オリックスグループの一員として、グループ会社や環境関連企業との連携を検討していく。  将来的には、発電所や蓄電所の設計エンジニアリング、調達、建設を一括で請け負うEPC契約も視野に入れる。アグリゲーション、発電所の売買や価値算定、アセットマネジメントなどについては、オリックスグループの一員として役割を担っていく考えだ。荒岡氏は、OREMが描く将来像を「再エネ電源のオールインワンサービスプロバイダー」と表現する。  再生可能エネルギーの普及は、発電所を造る段階から、維持し、更新し、次の活用へつなげる段階に移りつつある。建設業許可取得を機に、再エネ設備のライフサイクル全体を支える役割を広げていく。