〈インタビュー〉川崎市 八尾副市長 臨海部開発と入札改革に意欲

神奈川【2026/08/21 神奈川版に掲載】

八尾光洋副市長

 国土交通省大臣官房参事官を経て4月1日付けで川崎市副市長に就任。中部地方整備局企画部長時代には、応札者が提出した直接工事費の見積もりを基に予定価格を決める「まるごと見積方式」の導入など、入札制度改革を実行した。国の建設行政の最前線で活躍した八尾副市長に、臨海部開発の展望や公共入札の課題と対策などを聞いた。  ―臨海部開発への展望を聞きたい。  「100年に一度の大変革。日本のエネルギーの10%を担うと言われる川崎の港がその能力を100%発揮できるようにすることが重要。東京湾全体を俯瞰(ふかん)で見るべきで、東京も生かせる回遊性のあるインフラを整備するとともに、水素などの新エネルギーやリサイクルなどの仕組みをつくり、環境先進都市としてのイメージアップにつなげたい」  ―災害対策で検討していることは。  「7月の熊本地震では、民間企業が情報を提供する『通れるマップ』が運用された。液状化や木造住宅密集地域の延焼などの恐れがある川崎市の都市部は、短期的には港からの物資運搬、長期的には道路の拡幅によって物資輸送ルートを事前に確保する必要がある」  ―「くじ引き」が多発する入札契約制度について。  「くじ引きの件数とともに参加企業数が多いと受け止めている。解決には、総合評価落札方式を拡充することが一つ。もう一つは、認定や表彰履歴など複数の評価項目を○×方式で絞り込み、その上で応札してもらうスーパー簡易型の2段階評価の導入。さらに、容易に積算を推測できないようにブラックボックスを設けるという考えを持っている」  ―総合評価落札方式へのインセンティブの拡充について。  「災害協定が代表例だが、協定の締結だけでなく、出動した経歴を加点対象にするなど、実際の活動が加点に結びつく仕組みを作るべき」  ―スライド条項の1%ルールを撤廃すべきとの声がある。  「価格の下落時に対応できる余地を残す意味でも1%ルールは維持すべき。ただし、スライド条項や適切な設計変更は積極的な活用を促したい」  ―建設業界の人手不足への対策は。  「業界の人手不足は今後も継続し、官民での人材の取り合いも予想される。今後、増加が見込まれる維持管理などに新技術を導入して省人化する工夫が必要」  ―地域の守り手として建設業に期待すること。  「地元中小建設事業者の協力があって川崎市のインフラは成り立っている。副市長として感謝を申し上げるとともに、引き続き市の建設行政への協力をお願いしたい」