包括委託、随契求める声 自治体のインフラ維持業務
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国土交通省は、地方自治体のインフラ維持・更新工事を受注している地域建設業を対象としたアンケート結果をまとめた。課題には受注者側の人員不足や24時間対応の困難さが多く挙がり、解決策として発注者である自治体には包括的民間委託の導入、国には随意契約の活用柔軟化を求める声が寄せられた。自治体職員の技術力不足を指摘する意見もあり、安定的なインフラ維持業務の実施に向け、受発注者双方の課題が示された。
自治体から維持・更新工事を受注している企業にアンケートを行い、2021社から回答を得た。全体の44%を社員数20人未満の小規模企業が占めている。
維持・更新工事の課題については「人員不足」を挙げる建設業者が69%と大半を占めた。次いで「24時間体制での対応が必要で、実施体制の確保が難しい」との回答が33%、「他業務に比べて利益率が低い」が24%となった。
発注者に導入してほしい制度については、自治体の規模に応じて違いもみられた。市・特別区では、複数施設の維持をまとめて行う「包括的民間委託」が23%で最も大きな割合を占めた。同方式を採用すると発注規模が大きくなるだけでなく、性能発注を取り入れることで民間ノウハウを生かした利益率改善などの余地も出てくる。
一方、村では「発注者支援制度」を求める回答が30%で最多となった。自治体職員の技術力や経験不足を不安視する声も多く、外部委託による体制強化の必要性が受注者側から指摘された形だ。
この他、長期契約の導入や物価上昇などの価格・単価リスクへの対応の強化、技術者人材の確保に向けた制度整備を求める回答もあった。
国に対する制度的な要望では、随意契約の柔軟な活用を求める意見があった。限られた担い手で円滑に維持・更新工事を受注するため、契約手法の工夫が求められた。国交省の直轄工事では、特定の1社しか競争参加者がいないことが常態化している工事を対象に、参加希望者の確認を経て随契を認める「参加者確認型随意契約」を活用している。こうした発注方式を自治体の維持工事に適用すれば、入札不調の抑制や発注時の事務負担の軽減に効果がある。
国に対してはこの他、地域インフラを支える建設業の維持に向けた支援強化や、維持管理・更新関係の補助金拡充の要望があった。スライド条項の適正運用や適切な契約変更、書類簡素化といった発注関係事務の改善を求める意見も出た。
