小規模工 標準歩掛と乖離 県・政令市の大半は見積徴収

中央
 国土交通省は、標準歩掛と乖離(かいり)が生じる小規模工事を積算する際の都道府県・政令市の対応をまとめた。全67団体のうち63団体と大半が、工事ごとに見積もり徴収を実施していた=グラフ。独自の歩掛を設定して対応する事例もあった。国交省は、好事例を都道府県に共有するとともに、小規模工事が中心の市区町村に適切な積算に向けた対応を促していく。  地方自治体は発注する工事の多くで、国交省が直轄工事に適用する標準歩掛を流用して積算している。ただ、直轄工事と比べて自治体発注の工事は小規模なことが多く、積算した結果が実態と合っていないことが建設業界から指摘されていた。  このため、国交省は4月から適用している土木工事標準歩掛で、積算の担当者が適用の可否を判断する際の参考となるよう、適用範囲を明確化した。  例えば、適用できる日当たり平均作業量を明記したり、急速施工などの適用できない施工方法を記載。合わせて、トンネル補修工を対象に施工規模に応じた複数の歩掛を設定するなど、小規模工事に配慮した積算基準とした。  国交省は標準歩掛の適用範囲を明確化したことに伴い、都道府県・政令市に対して範囲外の場合の対応について調査した。複数回答で対応を聞いたところ、9割超に当たる63団体が「工事ごとに見積もりを徴収」と回答。8団体では、「独自の歩掛を設定」していると回答した。「小規模工事などを今後、発注しない」との回答も2団体のみだがあった。  この他、「現場条件に合わせた重機の選定や1日未満で完了する作業の積算を採用」(岡山市)といった対応も寄せられた。水道事業の小規模掘削などを念頭に、「以前から標準歩掛にない独自の歩掛を設定している」(北九州市)との声もあった。高知県や福井県、福岡市では標準歩掛が適用範囲外の工事について「対応検討中」とした。  小規模工事への対応に限らず、地域独自の事情を加味した独自の歩掛を設定している団体は都道府県・政令市の約半数に当たる32団体が整備していた。施工実態調査により精度を担保していたり、定期的な見直しを行っている団体は一部にとどまっており、国交省はこの3月に好事例をベースとした「独自歩掛の作成事例集」を公表。設定・更新のルールを明確化するよう促している。  独自歩掛の適正な運用を促すとともに、見積もり徴収も積極的に活用を呼び掛け、自治体工事の入札不調の抑制や、地域建設業の経営改善につなげる。