「激甚災害指定」で早期復興へ 被災地の財政負担を軽減

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最大震度7の地震は熊本県内に甚大な被害をもたらした(写真は八代市内、提供:西日本建設新聞社)

このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。 P.7月28日に発生した熊本地震の被害が「激甚災害」に指定されました。 Q.激甚?災害の被害が大きかったってこと?激甚災害に指定されるとナニが変わるの? P.被災した土木インフラや農地の復旧に対する国庫補助の負担が引き上げられます。被害が大きく、インフラを管理する自治体単独では財源を確保することが難しいと判断し、国庫補助を嵩上げします。国の財政支援を手厚くし、不安なく災害復旧に取り組んでもらうための制度です。 Q.ドンナ流れで指定するの?指定するときの基準ってあるの? P.被災した自治体は、インフラの被害状況を調査した上で、復旧費用を算定します。この際に指定の基準額を上回る必要があります。調査や被害額の算定には1~2カ月かかるのが通例ですが、基準を明らかに上回る大規模な災害では、前倒しで激甚災害に指定することがあります。  今回の熊本地震では、発災から6日後の8月3日に指定の見込みが示されました。8月13日の千葉豪雨についても、被災した千葉県が激甚災害への指定を要請する方針です。 Q.激甚災害にも指定されたし、本格的に復旧工事が始まるね。 P.そんなに簡単ではありません。被害の拡大を防止したり、一時的でもインフラが機能を回復するよう、応急復旧工事は始まっています。ただ、災害査定で事業費が確定すると、本復旧が進めやすくなります。 Q.ナニよソレ?国が面倒見るって決めたんだから早く始めようよ。 P.災害査定では、国土交通省や農林水産省が査定官、財務省が立会官を現地に派遣し、現地調査を行った上で復旧事業費を決定します。ただ、激甚災害に指定された災害や地域では、災害査定を効率化することも認められています。 Q.みんな困ってるんだから査定とか厳しいこと言わないでよ。 P.地図や航空写真を設計図書に活用したり、書面だけで査定する机上査定の対象も拡大できます。現地で決定できる災害復旧事業費の上限は4億円未満から15億円未満へと大幅に引き上げられます。  災害査定に時間がかかれば、それだけ本復旧への着手が遅れます。災害査定の前には、数量や工事費の内訳などを記載した査定設計書をまとめる必要もあります。自治体職員だけでなく、建設コンサルタントの技術者も総出で災害査定に備えることになります。 Q.熊本は気温も高いし、熱中症にも気をつけてほしいよね。   P.災害査定を終えれば、本復旧が始まります。熊本地震の被災地でも、限られた人手を復旧・復興事業へと集中的に投入する必要があります。被災した人たちが一日も早く日常を取り戻せることを祈っています。