連載 サマータイムチャレンジの現場から②R8江戸川上流流量観測業務(茨城県~埼玉県、国内調査測量)

東京【2026/08/21 東京版に掲載】

監視役が休めるパラソルを用意

 国内調査測量が担当する業務は河川管理の基礎となる流量のデータを得るのが目的で、6月1日から9月30日までの作業時間を午前6時30分~午後3時に前倒ししている。通常なら小型船舶に乗り込む3人と陸上から監視に当たる1人で対応するものの、万全を期して常に5〜6人を配置。作業と休息のローテーションを組み、「必ず1人はミストを備えた日陰で待機する」よう徹底している。  陸上の監視役にはパラソルで日陰を用意。船上の人員は一度の観測で30分ほど乗船しているため、飲料を積み込んで各自がこまめに水分補給を行っている。  現場責任者は、揺れる船上での観測や緻密な数値入力が求められる中で「涼しい時間帯は集中力が高く、細かい作業の精度が上がる」と語る。一方、作業員の間には「船上でパソコンにデータを打ち込むため、手がかじかむ冬の方が大変だ」との意見もある。  しかし、近年の夏季の暑さは命に関わる重大なリスクになり得るだけに、サマータイムの導入は精度の高い観測を安全に続ける上で不可欠な選択となっている。  作業員からは世代ごとに異なる評価の声が寄せられている。若手は「生活のリズムが整い、午後の時間を資格取得の勉強や趣味に充てられる」と喜んでいるそうで、ベテランは「体への負担が減った。無理がきかなくなってきたので助かる」と身体的なメリットを挙げたという。  さらに、車通勤の作業員にとっては朝夕の渋滞時間を回避できるメリットもある。渋滞による疲労を軽減し、午後の休息時間を確保できるようになったことで、会社全体のモチベーション維持にも寄与している。  現場責任者は、これから導入する会社に対して「まずは小規模な試行から始め、現場の反応を見ることが大切」とアドバイス。特に「作業員の生活リズムへの配慮が大事だ」と説く。  測量や地質調査といった屋外作業を伴う業務でも、サマータイムが働き方改革と安全確保の両方を実現する有効な手段として広がりそうだ。