【特別企画】きょう8月21日は静岡県の誕生日 鈴木知事インタビュー

静岡【2026/08/21 静岡版に掲載】
次の一手は「産業・防災・再開発」 ――人口減少時代に、県土をどう磨くか──  静岡県誕生150周年──東・中・西の3地域が築いてきた多様な力を束ね、人口減少時代の県土をどう磨き直すのか。産業集積の再構築、防災・流域治水の強化、東静岡や遠州灘海浜公園の再開発など、県土経営の次の一手が問われている。鈴木県政は「幸福度日本一」を掲げ、適応型の人口政策と成長分野の誘致、老朽インフラ更新や担い手確保を同時に進める構えだ。150年の節目に、県土戦略は新たな段階へ踏み出す。 ――県政として、150周年の節目をどう受け止めていますか。  現在の静岡県の形になって、今年で150年ということです。明治9年(1876年)に府県の大合併が行われ、東部の足柄県と中部の静岡県と西部の浜松県の3県が統合して今の静岡県になった。  地域性が色濃く残り、それぞれに地域特性があり、資源も豊富。ですから、われわれの仕事としては、この東中西のバランスを取りながら、それぞれの地域の持つ長所、良さ、地域資源などを生かして、県全体としての発展を導いていくことだと思います。 人口減少時代の県政 “縮小”ではなく“適応”へ ――人口減少、高齢化、産業構造の変化などを踏まえ、今後、静岡県が目指すべき姿についてお聞きします。まずは、総合計画について。  総合計画では、「幸福度日本一の静岡県」を目指す姿に掲げています。世界的にも注目されているウェルビーイングという、人々の主観的な幸福実感を大切にしていこうという考え方を、総合計画のベースに置いています。  これからの人口減少対策は、抑制対策に加え、人口減少に合わせてさまざまな対策を講じる適応対策がより一層重要になってくると考えます。 「企業誘致・産業集積」 企業立地日本一へ 用地をつくり、成長分野を呼び込む ――企業立地日本一を目指して、誘致の件数も具体的に年間75件という目標を掲げて取り組んでいます。当然、そのライバルも多い。今後、企業に静岡という土地を選んでもらうための環境整備については。  もちろん数も大事です。ただ、どのような企業を誘致していくかという、質の問題も私は大事だと思っています。産業集積が進む中、既存産業に良い影響をもたらしたり、新しいコラボレーションやイノベーションが生じたりする業種も含めて、選択的に考えていかなければいけない。  そして、静岡県の場合、今までかなりの誘致を実現してきたので、現在の一番の課題は土地がないこと。なければ、造ればいい。高速道路インターチェンジ周辺など、条件の良いところは産業用地に展開していく。今、10年間で500㌶の産業用地を掘り起こそうと、各自治体の皆さんと一緒になり取り組みを始めています。 新県立中央図書館は都市機能を高める核に ――新県立中央図書館は、東静岡地区の再開発を踏まえた一体的な整備として、9月をめどに基本構想をまとめられる。  今の施設が老朽化しており、新しい県立図書館を作ろうと、このプロジェクトがスタートしています。県立図書館をどうするかということは、まず一義的にはあります。住民は、一番身近な市立や町立の図書館を利用されるケースが多い。そうすると、県立図書館は、全県的な図書館ネットワーク、支援組織や核としての機能を担う。それが、本来の役割だと考えます。機能を果たすためには、デジタルの力を最大限にする必要もあります。  では、東静岡地区にどのような図書館施設を造るのか。蔵書を何百万冊も置くような、そういう時代ではありません。図書館施設自体は、限定的でいいと思っています。  むしろ、東静岡地区への集客を考え、非常に貴重な県有地をどうやって再開発していくか。その中に、一機能として県立図書館があると捉えています。 ボールパーク構想 民間投資を呼び込む大規模開発へ ――遠州灘海浜公園(篠原地区)について。“ボールパーク”も構想されていますか。  現実的に考えた時、県行政単独で整備をすると、「しずてつスタジアム草薙」クラスになるでしょう。それ以上のスペックを求めるのであれば、民間投資を呼び込むということになる。今、その可能性を探っているところです。  民間投資が鍵になるが、そのためにはさまざまな仕掛けが必要になる。複雑な方程式を解くようなもの、ということです。うまく開発すれば、面白い場所になると思います。  施設単独で開発し、成り立つ時代ではありません。ボールパークに対して、地元にも熱い思いを持っている経営者がいる。そういう人たちを巻き込み、他県のような開発の仕方をしていかないといけないと考えています。 リニアと静岡空港の活用 広域交通を県土経営に結びつける ――これからのリニア整備に対する期待、お考えは。  県内のリニア中央新幹線整備においては、協定に盛り込んだ、環境保全措置などをJR東海が着実に実施していくことが重要であり、県はきちんと監視していく。それは、今後のわれわれの役割です。  そして、東京―大阪間が開通すると、意外に思われるかもしれないが、リニア沿線よりも東海道新幹線沿線への経済波及効果が大きくなる。これは静岡県にとって大きなメリット。ですから、その点まで見越して、まちづくりや産業振興を進めていく必要があります。  当然、「空港新駅」も俎上(そじょう)にのる。私は、富士山静岡空港をプライベートジェットの一大集積にしようと思っています。2500㍍の滑走路があり、整備会社もある。100機を受け入れられるようにすれば、世界でも有数のプライベートジェット空港になります。ますます、アクセスは大事になり、新幹線駅があるのは大きな強みになります。そのようなメッセージも出し、態勢も整えていかなければならない。 *鈴木知事インタビュー記事の全文は、9月30日号「静岡県誕生150周年特集」に掲載します。