業界全体で支える教育訓練 新人の育成支援事業を創設

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 技能者の教育訓練を建設業界全体で支える仕組みを議論する「新たな教育訓練体系構築検討会」が8月19日、都内で会合を開いた。事務局の建設業振興基金は、技能者の能力を4段階で高める「キャリア育成プラン(仮称)」を提示。まずは新人の教育訓練の体制整備が必要だとし、初弾事業として建設業団体や職業訓練法人などを対象に訓練費用を支援する事業を創設する方針を決めた。  検討会には、日本建設業連合会や全国建設業協会、建設産業専門団体連合会などの建設業団体の他、職業訓練法人や有識者が参加している。企業単位のOJTが中心の教育訓練から転換し、職場外でのOFF-JTによる人材育成を業界全体で持続的に支える体制の確立を目指す。  19日の会議では、教育訓練のカリキュラムの参考として、初級から中堅、職長、登録機関技能者という4段階のキャリア育成プランを示した。建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者の能力評価基準とも整合させ、専門工事業団体が段階ごとに必要な能力・資格を示す。  まずは、離職率の高い初級(新人)を対象に共通の教育訓練体系構築を目指す。実施主体は建設業団体や労働組合、職業訓練法人を想定。全国各地で教育を受けられる環境を整備する。技能検定2級取得の一歩手前の水準に至ることを目指す。合わせて、新人向けの教育訓練に対する支援事業も創設。支援事業の費用は、CCUSの黒字分や建設技能人材機構が拠出する。  支援事業の対象は入職後おおむね3年とし、技術者や外国人材も含める。実技を伴う体系的なOFF-JTを100時間以上実施し、訓練参加者がCCUSを活用することを要件とする。教育訓練の建設業団体・職業訓練法人に対し、受講者1人・1時間につき1300円を支援する方向で調整。上限額は1団体につき200万円。  今後、事業の詳細を詰め、9~10月にも支援対象を公募する。支援事業の実施結果は教育訓練体系の検討に生かす。  19日の会合では、さらなる検討事項についても議論した。新人については建設全般の基礎知識や労働安全衛生法で取得が求められる資格もあるため、職種横断的な共通カリキュラムの必要性を調査する。教育訓練を行う指導員を対象とした、若年者への接し方やハラスメント対策といった養成講座の必要性も検討する。  中堅技能者の教育訓練の仕組み作りや、地域建設業が直接雇用する土木多能工の育成もテーマとなった。育成就労制度が2027年度からスタートすることを見据え、外国人材のキャリアアップや日本語教育といったプログラムについても検討する。技術者向けの教育訓練や、地域建設業者向けに技術者として働く外国人材をあっせんする仕組みも検討事項に挙げた。  教育訓練の受講者や実施する事業者向けのインセンティブ構築も視野に入れる。具体的には、CCUS能力評価への反映や、元請け・発注者からの評価などを想定。これらの検討テーマについて今後、関係機関に提言していく。  検討会の複数の委員からは、専門工事業だけでなくゼネコンを含めた業界全体で教育訓練を支える必要性を指摘する意見もあった。各地の教育訓練の実施主体を持続的に支援するための組織体が必要との声もあった。