私が建設業で働く理由① 巴山建設 積香晨音さん
東京【2026/09/08 東京版に掲載】
調布市を拠点にドローン測量といったICT技術を取り入れた土木工事などを手掛ける巴山建設。2021年度に巴山一済代表取締役社長が就任してから女性・若手社員の採用促進を図り、就任前は1人だった女性社員が現在は9人在籍している。さらに、現場などで働く女性の要望を社長に直接届けることでスピーディーに現場に反映させる「ともやま小町」の活動も同年度に開始。女性用ヘルメットや女性専用休憩室の導入、女性社員による現場パトロールなどを展開してきた。こうした取り組みが東京都から評価され、24年度に東京都女性活躍推進大賞を受賞した。同社で現場代理人として石神井川の整備工事を担当している積香晨音さんに、現場環境や働きやすさについて話を聞いた。
―入社のきっかけは。
「もともとものづくりが好きで、時折、建設関係の会社を経営している親戚の仕事を手伝ったりしていた。工事現場の仮囲いの中がどうなっているのか興味があり、派遣社員として建設業の仕事を探した。その中で派遣会社から当社が未経験の女性でも積極的に採用していると紹介を受けた。8カ月ほど派遣社員として働き、25年5月から正社員になった」
―現場に女性用ヘルメットや休憩室を設置している。
「女性用ヘルメットは通常よりも軽量なことに加え、ポニーテールの結び目を出せる設計になっている。夏の時期は上から麦わらのひさしも付けて暑さや紫外線を対策している。長時間つけていると通常のヘルメットよりも負担が少ないことを実感できる」
「女性専用休憩室は女性技術者がいる現場に必ず設置される。室内には冷蔵庫や電子レンジなどの家電だけでなく、姿見や、スプレータイプと塗るタイプの日焼け止めを常備してもらっている。以前は男性職員が着替える時に退室する必要がありお互いに気を遣っていたが、今は自分だけの空間で休憩中に気持ちをリセットできている」
―社長に直接要望を伝える仕組みがあるのか。
「社長との定期的な面談があり、そこで意見交換をしている。それ以外でも要望を出したら対応していただける。例えば今の現場は家から遠いので、会社で車を借りて車通勤できるようにしていただいた」
―働きやすさを感じるか。
「建設現場は女性からすると働きづらいイメージがあるかもしれないが、これまでに一度も居心地の悪さや不安を感じたことがない。私から要望せずとも最初から女性専用休憩室を設置することが決まっていたり、必要なものがあればすぐに用意してもらえたり、そうしたさりげない配慮のおかげで働きやすさを実感している」
―今後の目標を教えてほしい。
「今は河川の現場を担当しているが、これからいろいろな現場を担当して幅広い経験を積みたい。1級土木施工管理技士の資格の勉強もしていて、2次試験に向けて準備を進めている」
