インフラ管理に「基本法」を 群マネ・予算確保の制度検討

中央
 国土交通省は8月24日、社会資本整備審議会インフラマネジメント小委員会=写真=を開き、埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえて実施すべき施策の全体像を示す「今後のインフラマネジメントの在り方」の中間まとめ(素案)を提示した。地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)推進と、地方自治体への財政支援の充実を明記し、制度化を検討する。素案を踏まえ、委員長の家田仁政策研究大学院大学シニアフェローは「インフラマネジメント基本法のようなものが必要なのではないか」と提起した。  素案では、老朽化対策のみを対象とした従来のインフラメンテナンスから、整備と維持更新を一体で考える「インフラマネジメント」への転換を提案し、国交省が講じる重点方策を列挙した。柱として▽点検・対策にめりはりをつける▽インフラ状況の可視化▽国民や自治体首長の「モーメンタム」(気運)醸成▽担い手に光を当てたマネジメント産業の構築―を位置付け、群マネの推進やメンテナンス性をあらかじめ考慮した新設設計など、統合的なマネジメント体制を構築するとした。  特に担い手確保の関連では、技能者への適切な賃金が支払いに向けて実態に即した歩掛設定や積算方法を直轄工事で検討し、自治体に参考にしてもらうこととした。自治体が発注する点検・診断や維持工事について、「競争原理を維持し続けることは発注者・受注者双方にとって負担」となり得るとし、実情に応じて柔軟に担い手を確保できる入札・契約制度の環境整備も求めた。担い手を保護し、建設業者や関連業を含めたインフラマネジメント産業の発展を促す仕組みを考える。  施設の重要度や機能喪失の影響に応じためりはりある点検・評価体系への見直しや、増大する更新需要に対応した利用者負担の在り方検討も盛り込んだ。  インフラ状況の可視化では、劣化の進行や災害リスクだけでなく、財政負担や更新需要といった側面も可視化する。  インフラマネジメントの実施に向けた社会的な気運醸成のため、産学官民の連携の場となっているインフラメンテナンス国民会議・市区町村長会議を活用し、自治体首長や地方議会への働き掛けを強化することも検討する。  その上で、広域・多分野のインフラをまとめて管理する群マネを推進するための制度検討を提言。国が管理する施設のマネジメントに必要な予算の確保だけでなく、インフラを管理する自治体や民間事業者も必要な予算を確保できるよう、支援に努めるよう求めた。  家田氏はインフラ老朽化について「今、手を打たないと深刻な事態に陥るのは明らかだ」と発言。戦略的な対策の実施に向け、個別のインフラを対象にした現行法とは別に理念を示すインフラマネジメントの法律が必要になるとの見方を示した。  今後、パブリックコメントを経て議論の中間まとめを公表する。