都道府県・政令市の半数 業務スライドを導入・検討
中央
国土交通省は、都道府県・政令市を対象に、公共工事・業務における価格転嫁対策の実施状況をまとめた。直轄の建設コンサルタント業務で2026年度から適用を開始した「業務スライド」については、全67団体の約半数が導入済みか導入を検討中だった=表。単価契約の工事については、都道府県のうち9団体が物価・労務費の上昇に対応して契約単価の変更を行っていた。
業務スライドは、国交省が26年度から直轄の全業務を対象に試行を開始した。履行期間が複数年度にまたがる業務を対象として、上昇が続く技術者単価を速やかに委託料に反映する。建設コンサルタント等業務の委託料は人件費が大きな割合を占めており、建設コンサルタンツ協会など建設関連業団体が積極的な導入を求めている。
直轄事業での運用は、全体スライドとインフレスライドに対応し、扱いは工事のスライドに準拠。基準日以降の残業務分の変動額が残業務委託料の1・5%(インフレスライドは1・0%)を超えている場合に適用する。
山形県、埼玉県、鳥取県、大分県の4県が既に導入している他、東京都や静岡県、岐阜県、京都府など19都府県と、川崎市、静岡市、大阪市など10政令市が導入を検討中だった。
単価契約で工事を発注している都道府県11団体を対象に、価格高騰時の対応状況についても調べた。資材価格の高騰や労務費の上昇といった変動に対し、契約単価の変更を行っていたのは9団体だった。根拠として、京都府や和歌山県は契約書に契約単価が不適当になった際、変更を請求したり、協議できる規定を盛り込んでいた。
この他、スライド条項の手続きを円滑化するための事例も調べた。例えば山口県は、単品スライドで分かりやすいマニュアルを整備するとともに、資材の購入実績に関する証明書類を削減。インフレスライドでも、提出を求める書類から工事の出来高状況写真を除外し、工事出来高内訳書か実施工程表付き工事履行報告書のみで認める運用を行っている。
同様に、宮城県は単品スライドで官積算により実勢単価を算出し、証明書類の作成・提出を不要としている。徳島県は単品スライドの請求期限を工期末の「1カ月前」まで認めるなど、弾力的に運用している。
