変わる技術者の雇用形態 「非正規」15年間で倍増

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 建設業で設計や施工管理を担う技術者は、建設生産プロセスの中核を担う存在だ。しかし、政府の就業構造基本調査によると、建設業の技術者のうち、労働者派遣など非正規の立場で働く技術者は全体の1割近くを占め、15年間でほぼ倍増した。中堅層の空洞化や、時間外労働の罰則付き上限規制の適用といった環境の変化が進む中、技術者の働き方も変わりつつある。  建設業で働く技術者は、建設投資額の回復に伴う人手不足もあり、全体として増加傾向にある。就業構造基本調査の結果をみると、建設業で設計や施工管理を担う技術者の総数は2007年の31万1100人から22年の36万1100人へと、15年間で16・1%増えた。  しかし、契約社員や派遣社員など非正規の立場で働く技術者は、技術者全体の伸びを上回る勢いで増加している。07年の1万8200人から22年の3万5400人にまで94・5%とほぼ倍増した。これに伴い、非正規の技術者が技術者全体に占める割合も、07年の5・9%から22年の9・8%へと拡大している。  要因の一つは、定年後も雇用延長により非正規雇用で働く高齢の技術者の存在だ。国土交通省のまとめによると、監理技術者資格者証保有者のうち60歳以上が占める割合は22年度時点で34・9%となった。  高年齢者雇用安定法では、25年度から希望者全員を65歳まで雇用することを企業に義務付けており、このことが、非正規で働く技術者のウエートをさらに高める要因の一つになっている。  派遣で働く技術者も存在感を増している。採用市場のひっ迫を背景に建設企業が技術者不足に苦しむ中、数千人の技術者を抱える派遣会社もある。派遣技術者は、直接的・恒常的雇用関係が求められる監理・主任技術者として現場に配置することはできないが、規模の大きな現場で担当技術者として施工管理を補助する。  建設業に時間外労働の上限規制が適用された際、最も影響を受けたのが監理・主任技術者だ。限られた労働時間を工程管理や品質管理、安全管理といったコア業務に充てるため、書類作成や施工管理の一部を補助技術者に分担する体制が浸透した。  監理技術者資格者証の保有者のうち、30歳代・40歳代が占める割合は17年以降の10年間にわたって減少傾向にある。建設投資が急減した2000年代に建設企業が新規採用数を絞った影響とされる。進行する中堅層の空洞化を、高齢層や派遣技術者の活用だけで、空洞化した中堅層を補うことは難しい。  国交省は7月、技術者制度の見直しに向けた検討会を2年ぶりに開き、「直接的恒常的雇用関係」や「複数人での施工管理」の検討を論点に挙げた。多様化する技術者の働き方に対応し、持続可能な制度へと転換することが今後の課題となる。