月45時間超えたら「一律指導」 適法なのに指導はやめて

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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。 P.建設業の労働時間が減少傾向にあります。厚生労働省の調査によると、今年7月の所定外労働時間の平均は月11・5時間で、時間外労働の上限規制適用前の2024年3月と比べ、2・3時間減りました。 Q.働き方改革進んでるんだね。いいじゃん。 P.法違反があると、労働基準監督署に是正勧告を受けますし、違反した企業は罰則も受けますからね。 Q.罰則はいやだよね。 P.ところが、法律の範囲に収まっていても、時間外労働が月45時間を超えただけで労基署に指導を受ける「一律指導」が行われています。 Q.違反していないのに?ナニよそれ?おかしいじゃん。 P.労働基準法の一般則では、労使が三六協定を結べば、月45時間以内、年360時間以内で時間外労働を認めています。ただ、特別条項付きの三六協定を結ぶと、年720時間まで時間外労働、月100時間未満まで時間外労働と休日労働が可能になります。詳しくは表を見てください。つまり、特別条項付きの協定を結び、時間外労働が45時間を超えても適法であるのに、労基署が一律に指導しているということですね。 Q.悪いことしてないのに怒られたらやだよ。 P.あくまでも指導ですので、怒られているわけではありませんが、厚労省の有識者会議に出席した日本商工会議所は「企業活動を萎縮させる」として改善を求めました。こうした声もあったため、厚労省は9月から労働時間のみを理由に指導する一律指導を見直すことを決定しました。 Q.ナンだ、もうやめるんだ。良かったじゃん。 P.建設業では、24年4月の規制適用に合わせ、多くの企業が時間外労働の上限を高く設定できる特別条項付きの三六協定を結びました。全国建設業協会の25年度の調査では、会員企業の57・6%が特別条項付きの協定を結んだと回答しています。9月以降は、特別条項付きの協定を結んだ企業で月45時間を超える時間外労働があっても、指導を受けることはなくなります。 Q.だったらナニを指導するの? P.特別条項付きの協定を結んだ企業には、一般則の限度時間を超える時間外労働が認められる代わりに、労働者に健康福祉確保措置を講じることが求められます。例えば、医師の面接指導や特別休暇の付与などです。この健康福祉確保措置を重点的に確認し、必要な指導を行うとしています。  厚労省の一律指導の背景には、時間外労働が月45時間を超えると過労死リスクが高まるためです。今後は、45時間を超える時間外労働をしても労働者に健康被害が生じないことに着目し、指導する方針に改めます。