建築士試験が変わる(2)資格目指す若手、取り残さない 資質を確認できる試験に

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 改正建築士法の柱は、在学中に建築士試験の受験を認めることにある。次世代の建築士の担い手を確保するため、学生の卒業を待たず、建築を集中的に学んでいる時期に試験に挑戦できる仕組みを整える。制度設計の土台にあるのは、若い人材が資格取得をあきらめることが、担い手確保の機会損失になるという考え方だ。  建築士の担い手不足は危機的な状況にある。日本建築士事務所協会連合会(日事連)のアンケート調査に対し、「すでに人材不足となっている」と回答した会員は49・9%。ほぼ半数の会員が担い手が足りないと考えている。建築確認審査・検査を担う行政側でも高齢化が進み、50歳以下の資格者がいない地方自治体もあるという。  建築士法は、建築士試験により若い世代を呼び込み、こうした現状を打開するために改正された。卒業が見込まれる大学生、高専生、工業高校生に1級・2級・木造建築士試験の受験資格を与える。現行制度では、就職後に仕事と受験対策の両立に苦労する受験者が多い。大企業であれば、受験を控える若手社員の業務量を減らす配慮もできるが、小規模な建築士事務所に同じ対応は難しい。そこで、社会人に比べれば時間を融通できる学生のうちに受験機会を設け、受験者の裾野を広げる。  地元の学校で建築を学ぶ学生が有資格者となり、そのまま地域で働き、地方でより深刻な担い手不足を解消できる、というのが関係者が描く改正後の姿だ。  また、免許登録に必要な実務経験年数も見直し、建築士を目指す全ての人に資格取得の門戸を広げる。2級建築士では、建築関係の学歴がない人に求める実務経験を7年から4年に短縮。2級建築士を経て1級建築士を目指す場合も、2級の免許登録前に積んだ実務を加算できるようにする。  日事連の脇山芳和専務理事は、法改正のキーワードを〝包摂〟と表現する。「若年層はもちろん、資格取得を目指す全ての人に対し、可能な限り受験機会を与えることが、建築士の増加につながる」と考える。  一方、課題は学業と受験対策の両立だ。学生は授業や課題、研究、就職活動などで忙しい。総合合格率が10%前後と難易度の高い国家資格に合格するためには、時間的・経済的な負担も重くなる。  受験時期を早めても、受験対策の負担が障壁として残れば、〝包摂〟は実現しない。そこで日事連が求めているのが、建築士試験の試験問題の見直しだ。脇山氏は、現在の試験について「建築士に必要な資質を確認する試験として本当に適切か」と疑問を呈する。有資格者に求められる水準を維持しながら、建築士の実務との関係性が低い「過度に難解な問題」を見直し、建築を学ぶ学生が、高校・大学で学んだ知識を生かして合格できる試験にすることが望ましいとの考えだ。  国土交通省では、1級建築士試験の在り方に関する検討がすでに始まっている。建築士の担い手を中長期的に確保するため、さまざまな角度から試験制度の議論を進める。日事連もステークホルダーとして、資格者の質の維持と過度に難解な問題の是正に向けて意見を発信する方針だ。