受注減少に高まる不安感 物価高騰が招く発注の不均衡 全建調査
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全国建設業協会(全建、今井雅則会長)の会員企業の間で、受注の減少に対する不安が広がっている。全建が7月に行ったアンケート調査に対し、受注が悪化傾向にあると回答した会員企業は46・9%に上り=グラフ参照=、地域別でも東北、中部、近畿、中国の4地区では50%を超えた。資材価格が上昇する一方、公共事業予算は横ばいのままで推移し、発注件数の減少が「競争激化を引き起こし、受注者に偏りが生じている」との声も聞かれた。
アンケート調査では、会員企業に公共工事や民間工事の発注関係事務や地域建設業の持続可能性、災害への対応状況などを聞き、1877社が回答した。直近1年間(2025年6月1日~26年5月31日)の会員企業の景況感についても聞いた。
直近1年間とそれ以前の1年間を比べ、受注が前年よりも「悪い」「悪くなってきた」との回答は合計46・9%となり、受注が悪化傾向にあると感じている会員企業が前年の調査に続いて半数近くに上った。悪化傾向を感じている企業が最も多かった地区は、東北の54・6%で、東日本大震災の復興事業の反動減に悩む企業が多い。
受注環境が悪化した要因として、「公共工事の発注量の減少」を挙げた企業が87・0%を占めている。2020年代に入って続いている資材価格の上昇は、中東情勢の悪化に伴ってさらに加速。一方、政府の公共事業予算は横ばいのままで、1件当たりの工事費の増加によって公共工事の発注件数が減少し、受注環境が悪化している。
受注の減少は、会員企業の利益も圧迫している。直近の決算(25年度決算)とそれ以前の決算と比べ、利益が悪化傾向にあるとの回答は全体の36・5%だった。地区別では、四国が42・5%で最も多かった。利益が悪化傾向にある理由としても「公共工事の受注の減少」と答えた企業が78・4%と最も多い。
受注の減少に対する自由回答では、受注者が偏っているといった意見に加え、「公共工事の発注量に地域的な偏りが生じている」「春先に発注が少ない。発注時期に偏りがある」といった、地域や時期での不均衡を指摘する声もあった。
入札制度が受注の偏在を招いているとの指摘もある。「総合評価落札方式では、実績や評価の高い企業に受注が偏る」「物価や労務費が上昇しても、発注標準が変わらず、入札参加できる案件が減る場合がある」といった声だ。災害対応やインフラ維持を担う企業の評価を求める意見もある。
利益の悪化に対しては、「物価上昇が請負金額に十分に反映されない」「建設機械の価格上昇が歩掛・機械損料に反映されない」と価格転嫁の必要性を訴える声が強い。個別の工事の積算についても「積算と施工実態に乖離(かいり)がある。特に小規模・小ロット工事では利益を確保しにくい」「現場条件を踏まえた適正価格で積算してほしい」と改善を求める声が強い。
