広島市 街路樹再整備方針素案 モデル事業27年度に着手
広島
地域特性を 踏まえた樹種選定の考え方(広島市街路樹再整備方針素案より)
広島市都市整備局は、大径木化や老朽化が進行している歩道がある既存街路樹について、量の確保から質の向上に重点を転換する再整備方針素案をまとめた。2027~29年度の3カ年度にモデル事業を行い、その成果を30年度に検証した上で、31年度から実施プログラム(第Ⅰ期)を本格展開していく考えだ。モデル事業の対象路線と再整備方針は、本年度内の策定を目指している。
市内の街路樹は、高木で約3万6000本。アメリカフウが3分の1(34%)を占めているのが特徴だ。次いでプラタナス(8%)、ケヤキ(6%)、市の木であるクスノキ(5%)、イチョウ(4%)の順となっていて、上位5種で全体の約6割(57%)を占めている。
アメリカフウは、鮮やかな紅葉を楽しめ、乾燥に強く、剪定に耐えるため、街路樹に適しているものの、害虫による葉の食害や根上がりが生じやすいといった課題もある。
また、高度成長期の急激な都市化による緑の減少を食い止めるため、量の確保に重点を置くとともに、成長が早い樹種が選定されていたこともあり、大径木化や老木化といった課題も生じている。
限られた維持管理費の中、量の確保から質の向上に重点を転換する再整備方針素案をまとめた。
平和大通りは「平和大通り樹木管理指針」を24年7月に策定しているため、今回方針の対象外。
■基本方針は「安全・安心な道路空間の確保」と「地域特性に配慮した街路樹の確保」の二つ。
街路樹の著しい根上がりや周辺構造物の破損が生じている路線、樹勢の悪化などが生じている路線は、街路樹の樹種を選定の上、更新する。
撤去は、歩道の有効幅員が不足している(2㍍以上を確保できていない)路線、信号機や道路標識、交差点付近で視距を妨げている街路樹、樹木が過密化・隣接公園の樹木と競合している路線の街路樹は原則、撤去とする。
25年度に実施した調査によると、調査536路線のうち、街路樹により歩道の有効幅員が2㍍未満の路線は143路線ある。対象本数は9186本で、調査全数(3万0600本)の約3割を占める。
■地域特性はデルタ市街地と郊外住宅団地で分けて対応
デルタ市街地は、ヒートアイランド現象の緩和や良好な都市景観の創出を図るため、ボリューム感も意識しつつ、商業地域・住居地域などの地域特性に応じた街路樹に更新する。
広島駅周辺地区、紙屋町・八丁堀地区に関しては、ウオーカブル空間形成を図り、都心にふさわしい街路樹に更新するとしている。
郊外住宅団地などは、一戸建て住宅が建ち並ぶ落ち着いた街並みとの調和が図られるよう、街路樹を更新する方針。また、樹林地に近接するなど、街路樹の存在感が薄くなっている路線は街路樹を撤去する。
■モデル事業は地域と合意形成を図りつつ実施
モデル事業は、効果的・効率的な再整備手法を検討するために実施。
地域の合意形成に当たっては、▽地域の代表者と具体的な進め方を協議▽現状と課題に対する地域の理解を深めるため、必要に応じて専門家による現地での説明会などを実施▽更新樹種は、市が候補樹種を抽出▽地域の意向に沿った樹種に更新できるよう、整備内容の合意形成を図る▽合意形成過程において、地域の維持管理の関わり方も協議し、協働のきっかけづくりを行う―を留意事項に挙げている。
■実施プログラムは5年で展開
モデル事業後に策定する実施プログラムの計画期間は5年。本格展開では、安全性の確保を図るための再整備を優先的に進めるのを基本としつつ、都市の魅力向上につながる再整備もまちづくりとの連携が早期に求められる路線から順次進めるとしている。
