建築士試験が変わる(4)若年化に備える資格学校 大学、企業との連携も視野に

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 総合資格が建築士の有資格者を対象に行ったアンケート調査によると、建築士の資格を取得するまでに2年以上掛かった1・2級建築士は全回答者の半数に上った。合格までに数年掛かることも珍しくない難関国家資格の建築士試験では、法令の最新動向や過去の出題傾向を学ぶため、資格学校に通う受験者が大半だ。同じアンケートでは、資格学校を利用した経験のある受験者は全体の7割超を占める=グラフ参照。  建築士法は2018年にも改正され、20 年の建築士試験から実務経験が受験要件ではなくなり、建築士の免許登録要件になった。指定学科を卒業していれば実務経験がなくても受験できるようになり、1級建築士試験の受験者の平均年齢は20 年以降、低下した。  今回の法改正で在学中の受験が認められることが決まり、独学以外の受験対策を行う学生の増加も予想される。総合資格の佐藤拓也社長=写真=は、20年の試験制度見直しによって受講生の若年化も進み、「すでに総合資格学院に通う受講生の 75%以上は 20 代だ」と話す。  若年化が進んだことに伴い、総合資格のカリキュラムやコンテンツも若い世代向けに変化している。ライブ講義を基本としつつ、ショート動画の視聴に慣れた若い世代の志向に合うよう、講座の一コマの時間を短くしたり、多忙な社会人が隙間時間にも利用できる「次世代型LXP(ラーニング・エクスペリエンス・プラットフォーム)」も提供したりしている。「若い世代とのミスマッチが起きないよう工夫している」(佐藤社長)のだという。  現在も卒業後の受験に備え、在学中から総合資格学院に通う学生はいるが、試験制度が変われば、さらに若い世代を受講生として迎え入れることになる。佐藤社長は「受講者の多様化に合わせ、新たなコンテンツの開発や提供方法の見直しが必要だ」と考え、社内にプロジェクトチームを立ち上げた。  大学の最終学年での受験を目指すのであれば、授業、ゼミ、就職活動と多忙な大学生も受講できるよう、早期の学習スタートに合わせた支援サービスも検討している。  一方、佐藤社長は、今回の試験制度見直しに合わせ、「出願者数を増やすため、1級建築士の資格取得に力を入れる大学が増える可能性もある」と見ている。総合資格は今年 10 月から、近畿大学建築学部建築学科(通信教育課程)の学生向けに、建築士試験の学科試験対策の課外講座を開始する。  佐藤社長は「大学の基礎課程での建築計画、構造、法規なども、建築士試験を意識して検討する余地がある」として、在学生の資格取得を支援する大学との連携にも力を入れる方針だ。  試験制度見直しによって変わるのは、教育機関だけではない。最終学年での受験が認められるということは、就職活動と並行して試験対策を行う学生が増えることを意味する。佐藤社長は「採用試験の段階で資格を取得しようとしている学生が増える。企業も学生の資質を見る要素と捉えるのではないか」とも話す。入社が内定した学生への資格取得支援の充実も考えられるという。新しい試験制度が始まると、建築士の資格取得は、学業と仕事をシームレスにつなげる役割を担うのかもしれない。