建設業の災害対応に「空白地域」 災害対応力と建設業の存続は表裏一体

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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。 Q.今年の夏は大雨が多いよね。熊本では地震もあったし、災害は怖いよ。 P.線状降水帯が各地に記録的な大雨をもたらしています。8月の千葉豪雨では、インフラにも被害が出ました。熊本地震や千葉豪雨をはじめ、この夏の災害でも、国土交通省や都道府県、市町村と災害協定を結んでいる建設業が、道路啓開、土砂撤去、放置車両の撤去などの応急復旧に携わりました。 Q.災害が起きた後は作業も危ないんでしょ。 P.そうですが、大規模災害への対応には、消防や警察、自衛隊に加え、建設業の力も欠かせません。災害対応は、建設業が社会に欠かせない産業であることの証です。ただ、特に地方では、災害時に対応できる建設業がいない、いわゆる「災害対応空白地域」が以前から問題になっています。 Q.建設業がいない街があるってこと?そんなことあるの? P.建設業がいないということはないのですが、全ての建設会社が災害対応の役割を担うことができるわけではありません。地域に拠点を持ち、人手や重機も抱えている建設業でなければ、応急復旧には対応できません。災害時に活躍する代表的な建設業は、約1万8000社いる全国建設業協会(全建)に加盟する企業です。 Q.空白があるのはドコなの? P.今年7月時点で、全建の会員企業が不在の市区町村は全国に231市区町村あります。会員不在の市区町村がある都道府県は6割を超えています。企業数の多い大都市圏は空白があっても大きな支障はありませんが、地方に応急復旧を担う企業がいないと、インフラの復旧が遅れ、被災者の生活再建の遅れを招くおそれがあります。 Q.空白ができちゃうのはドウシテ? P.資材価格や労務費の上昇により、地域の建設業の利益率が伸び悩んでいます。地方では、担い手不足も深刻です。物価上昇によって事業量が減少し、地域格差が生じているとの声もあります。地域の建設業の企業体力の低下や廃業・倒産は、地域の災害対応力の低下につながります。 Q.災害対応力が低くなるとナニが起きるの? P.中山間地域などでは、地震や豪雨で土砂崩れが起きたり、道路が損壊したりすると、孤立集落が発生する可能性が高くなります。能登半島地震ではこうした理由で実際に孤立集落が発生しました。災害対応空白地域でなくても、企業数の減少によって「担当するエリアが広くなり過ぎている」という声もあります。  災害時の体制を考えることと、地域の建設業の存続を考えることは表裏一体です。災害対応力の強化、平時のインフラ管理、建設業の持続可能性の3点を同時に考える必要があります。