静岡県 新県立中央図書館 27年度に基本計画

静岡【2026/09/28 静岡版に掲載】

新県立中央図書館基本構想改定 学生からも意見聴取

 静岡県は、JR東静岡駅南口の県有地で整備を検討する新県立中央図書館について、基本計画を2027年度中に策定する。現在、基本構想案を取りまとめており、県議会9月議会に諮った上で、10月にも策定する。基本計画の策定と並行して、東静岡地区の県有地活用を含む事業手法を検討する。  整備・運営を県の直営方式とする場合は、基本計画策定後に、設計・工事に移る。PFI手法などの民間活力を導入する場合は、要求水準書の作成などを経て設計・工事を進める。県は、両方式による完成時期の差を「1年程度」と見込んでいる。令和10年代半ばの完成を目指す。  県は9月17日、新県立中央図書館の基本構想を議論する有識者会議の4回目(最終回)を県庁で開き、委員や学生からの意見を聞いた。学生からは、現図書館が坂の上にあり、館内にも段差などがあることを踏まえて、「誰もが使いやすい図書館にしてほしい」との要望が出た。前澤綾子教育長は「体の不自由な人も含めて使いやすい施設にしなければならない」と話した。  委員からは、老朽化が進む現図書館を「南海トラフ地震の発生が予想される中、今後10年間使い続けるのは危険ではないか。本館とは別の施設などを先行することも視野に入れるべきではないか」との意見が出た。  前澤教育長は「現図書館の老朽化は認識しており、耐震診断を行っている。結果を年内にまとめ、安全な運営方法を速やかに検討する。新図書館開館までの事業の進め方や、現施設の活用法も、来年度中に具体化したい」と述べた。  県がパブリックコメントを経て策定した基本構想案には、AI技術の進展を見据えた取り組みを盛り込んだ。AI技術の進展で、情報の真偽を見分けることが難しくなる可能性を踏まえ、「確かな情報の提供、情報の真偽を確認する手法の提示など、時代に即した情報提供の在り方を模索する」ことを、新図書館の役割と機能の一つに位置付けた。  建設地は東静岡駅南口の県有地全体(2・43㌶)を対象に最適な施設配置を検討。施設規模は見直し前の延べ1万9800平方㍍から縮小し、収蔵能力は今後30年間で見込まれる150万冊程度を上限とする。事業費も298億円から削減する方針。  県は、現図書館の老朽化を受け、JR東静岡駅南口県有地への移転整備を進めてきた。しかし、建設工事の入札不調や国の交付金を巡る状況が変化したことから整備計画を見直すこととした。蔵書は、見直し前の「一体保管」から書庫の分散化を含めた最適な方法を選ぶ。整備手法は、民間活力の導入を軸に検討する。  会議後、前澤教育長は「約1年前、財源の問題から一度白紙に戻すところから始まった。このピンチをなんとかチャンスに変え、将来のために、より良い図書館を造りたいとの思いで議論してきた」と振り返った。  会議の成果を「新図書館のコンセプトが非常にクリアに明確になった」とし、具体的には「現図書館の強みを引き継ぐことと、来館しない人も、県内のどこからでもサービスを利用できるようにすることの二つだ」と説明した。  市町の図書館を支える機能の継続性と安定性を重視しつつ、「県民サービスの観点から、柔軟で大胆な事業デザインが必要になる。基本構想を基に、基本計画をしっかり詰めていきたい」と今後の方針を示した。

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