公共工事に必須の「企業評価」 新規参入は簡単じゃない

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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。 Q.結局のところ、施工余力はあるの?ないの? P.ずいぶん唐突ですね。どうしたんですか? Q.施工余力があるとかないとかいつも言ってるじゃん。ドッチか分からないじゃない。 P.建設業に施工余力がないということは、公共事業費を抑制したい財務省が繰り返している主張です。地域によっても差がありますが、物価上昇が予算に十分に反映されず、「むしろ実質的な事業量は減少している」「施工余力はある」というのが国土交通省や建設業界の反論です。 Q.人手が足りないなら実績のない会社も公共工事を受注できるようにするとか、工夫すれば解消できるんじゃないの? P.そう簡単ではありません。公共工事を受注するためにはいくつかの「企業評価」を受けなくてはなりません。必須の企業評価は、建設業許可、経営事項審査(経審)、競争参加資格審査ですね。 Q.一つも分からないよ。 P.まず500万円以上(建築一式は1500万円以上)の請負契約を結ぶ企業には、経営の安定性や技術力の要件を満たし、建設業許可を取得する必要があります。経審では、建設企業が本業で得た完成工事高や技術者数などで総合評定値という点数を付けます。発注者は、経審の総合評定値に発注者別評価(社会貢献度など)を加えた競争参加資格審査を行い、各企業の格付けを決めます。ここまで終えてようやく公共工事の入札に参加する条件が整います。 Q.いろいろあるじゃない!ここまでやらないと受注できないの? P.ここまでの手続きを終えても入札に参加する条件が整っただけで、受注が決まったわけではありません。入札段階でも、配置する技術者の実績や企業としての受注実績、技術提案などを審査する総合評価落札方式で施工能力を評価されます。 Q.ここまでする必要あるの? P.受注者が工事を完成させる能力があるのか、不良不適格企業ではないのか、発注のたびに審査することは非効率です。許可を取得し、経審と競争参加資格審査を受けた企業であれば、こうした条件を満たしていると判断できます。一方で、国土交通省や地方自治体は、企業評価を政策誘導に使うこともあります。環境配慮や災害対応に取り組む企業の評価を高くしています。これにより、政策を産業全体に浸透させる効果が期待できます。 Q.みんな高い評価受けたいもんね。 P.今の国交省の建設産業政策の柱は、処遇の改善や生産性向上です。9月に立ち上がった有識者会議では、経審や専門工事業の評価制度を見直し、処遇改善や生産性向上に積極的に投資する企業を評価することを検討しています。月給制への転換を評価指標とすることも検討されています。