新相続税評価の凍結要望 事業承継の崩壊に懸念 全建
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全国建設業協会(全建、今井雅則会長)は、国税庁が検討している非上場株式の相続税評価の新方式導入を凍結するよう、政府・与党に要望する方針を決めた。国税庁の有識者会議が検討している「残余利益方式」=図参照=が導入されると、地域の中核的な中小企業の株式の評価額が2~5倍に上昇し、相続税負担も数千万円から数億円規模で増加するおそれがあるため。「地域の中小建設業の事業承継が崩壊する」と指摘し、2027年度税制改正大綱への反映を見送るよう求める。
取引相場のない非上場株式の評価は、株主の区分や企業規模に応じた方式を採用している。大企業は事業内容が類似する上場企業の株価を参考にする「類似業種比準方式」、小規模企業は資産から負債を差し引く「純資産価額方式」、中堅企業は両方式の「併用方式」で評価額を決め、相続税額の算定の基礎とする。
国税庁は、現行の方式が実際の企業価値との間に乖離(かいり)があり、それを利用して評価額を圧縮する租税回避にもつながっているとして、会社が保有する資産と将来の超過収益(残余利益)の現在価値を加減する「残余利益方式」の導入を検討している。制度が導入されれば、1964年の現行方式の制定以来、初めての抜本的な見直しとなる。
新方式が適用されると、小規模な企業は現行方式よりも評価額が下がる一方、中堅企業では評価額が上昇することが想定される。全建の会員企業の中でも、地域の中核である中堅企業の評価額が上昇することが想定されるという。
こうした会員企業は、災害対応に不可欠な資機材や、その保管・維持に必要な不動産を保有しなければならず、雇用維持のために安定的な収益も必要になる。全建は、相続税の負担が大幅に重くなる新方式によって、こうした企業の事業承継が崩壊すると指摘。後継者が納税資金を確保できず、事業承継を断念することにもつながるとした。
国税庁の有識者会議でも、日本商工会議所(日商)は、毎年の利益が純資産に累積で加算される新方式により、「事業の継続とともに相続税評価額も上昇する」と指摘。さらに「換金性が実質的にない非上場株に重い税負担を課すことは公平とは言えない」とも訴えた。
全建は、新方式の導入に反対の立場をとる日商と歩調を合わせ、年末に決定する2027年度の税制改正大綱での新方式の凍結を求める。
