インフラ「戦略的管理」提言 産業振興、予算確保へ答申案

中央
 国土交通省は9月30日、社会資本整備審議会インフラマネジメント小委員会を開き、埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえた今後のインフラ整備・管理の方針を盛り込んだ中間答申案を提示した。国交省が重点的に講じるべき施策として、建設業をはじめインフラの整備・管理に携わる産業を発展させる仕組みづくりや、安定的・計画的な事業実施に向けた予算確保を提言した。  中間答申案は、インフラ政策について、老朽化対策のみを対象とした従来のメンテナンスから、整備と維持更新を一体的に実施する「インフラマネジメント」への転換を求めるもの。8月の前回会議で提示した素案を基に、委員が指摘した内容やパブリックコメントでの意見を踏まえて見直し、中間答申案とした。  10月上旬に開く社整審技術部会での審議を経て中間答申を公表する。国交省は中間答申を踏まえ、対応する政策・制度の具体化を急ぐ。小委員会の委員長を務める家田仁政策研究大学院大学シニアフェローは8月の前回会議で、インフラマネジメントに関する「基本法」の必要性を指摘した。  今回提示した主な追加点では、人員や予算制約がある中、地域に必要なサービスを持続的に提供するというインフラ「経営」の観点を明確化した。  インフラマネジメント産業の振興に関連し、建設業について担い手の高齢化や若手入職者の減少、技術者不足の深刻化といった課題も明記した。特に「地域建設業がインフラ管理の中核的な役割を担ってきた」とした上で、デジタル技術や新技術活用が進んでいない課題にも触れ、地域の活力や雇用の創出につなげる必要があるとした。  複数地域や多分野にまたがるインフラをまとめて整備・管理する群マネの推進に当たり、データ・予算を横断的に捉える必要性も記載。自治体や建設業者、技術者の能力を結集させる仕組みの構築を求めた。7月に発生した熊本地震への対応も参考に、平時だけでなく災害時を見据えた連携体制の検討も盛り込んだ。  インフラマネジメントの推進に向けて、国交省だけでなく自治体や民間事業者、国民も連携する必要があることも記載。特に自治体に対し、地域の実情に応じたインフラの整備・管理を求めることとした。  小規模自治体で技術系職員の不足が深刻化する中、群マネ導入や新技術活用について助言できる専門人材を自治体に派遣して支援する体制構築も盛り込んだ。官民や大学など幅広い技術者の連携・交流を通じ、ノウハウの共有と人材育成を進める。  パブリックコメントでは、インフラの計画的な集約・撤去について理解を示す意見が多かった一方、地域生活への配慮や住民に意見を聞く機会の確保を求める声があった。インフラマネジメント関連の新技術実装を後押しする施策の要望も寄せられた。