「適正利潤」どう確保 入札制度改善の議論開始 国交省

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 国土交通省は10月1日、小規模市町村の工事発注体制の補完や災害時の復旧・復興工事の円滑な発注方策を議論するワーキンググループの初会合を開いた=写真。全国建設業協会の山崎篤男専務理事がヒアリングを受け、地域建設業の利益率の低さの要因として「入札契約制度に課題がある」と指摘。会議では工事コストを実費精算する「オープンブック・コストプラスフィー契約(OBCF)」活用が論点に挙がるなど、建設業の「適正利潤」を確保する枠組みの構築が焦点となった。  ワーキンググループは、建設業を持続可能な成長産業とするための検討会の作業部会として、特に公共工事の入札・契約制度を議論するために設けられた。座長には弁護士の大森文彦氏が就いた。  国交省の伊勢尚史建設業課長は、地方自治体の技術職員不足による発注事務の負担や、災害復旧・復興工事での入札不調・不落といった課題を提起。「建設業の持続可能性を確保し、平時から災害時まで円滑に事業を実施できる入札・契約制度を確立する」と述べた。  ワーキンググループでは建設業団体・発注者へのヒアリングを順次行う。初回の対象となった全建の山崎専務理事は、資材価格や労務費の上昇で実質的な建設投資量が減少する中、都道府県建設業協会の会員企業がいない市区町村が増え、災害対応が困難になるとの認識を示した。  その上で、建設業の利益率の低さの背景に入札契約制度があると発言。競争入札に際し、適正な労務費を確保するため自社利益を圧縮せざるを得ない構造があるとした。予定価格については品確法で適正利潤の確保が明記されている一方で最低制限価格にそうした観点がないとし、「落札段階でも適正利潤を確保できるようにしないと持続可能性はない」と訴えた。土木学会が24年に示した、積算価格に7~10%を乗じて予定価格を設定する手法の活用も提案した。  小ロット工事の予定価格について「歩掛、積算が整合していない」と強調。国交省の大ロット工事向けの歩掛を市町村が流用しているため実態とかい離するとした。  委員の大脇成昭九州大学大学院教授は、予定価格に利益を上乗せする手法を評価しつつ「建設業者の足腰を下支えすることが国民の利益になる」正当性を示す必要性も指摘した。  会議では、受注者が発注者にコストを全て開示し、実費精算した上で一定の報酬を受け取るOBCF方式も取り上げた。価格変動の転嫁や災害復旧工事の迅速化に向け、導入条件を検証する。  堀田昌英東京大学大学院教授は、地域建設業の持続可能性を高める上で、包括的民間委託やECI方式といった多様な入札契約制度の積極活用を主張。能登半島地震の復旧・復興工事を参考にすべきとした。  大森座長は「フィーは技術への対価。そこに利益が含まれている」とし、工事規模に応じて求められる技術力の違いを考慮する必要性を指摘。伊勢建設業課長は「適正利潤とは何か、原価と利潤の境目を考える必要がある」とし、引き続き検討を深める考えを示した。