技能者賃金の通報システム 来年1月に試行運用開始
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国土交通省は、技能者が適正な賃金を支払われていないと感じた際、情報提供を受け付けるシステムを2027年1月から試行運用する。実際に、資格や経験に基づく建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベル別年収(標準値)を下回っていた場合は建設Gメンに情報提供し、労務費ダンピングなどの法令違反を調査する際の参考情報として活用する=図。
これまでも建設Gメンは、発注者と元請けや、元請けと下請けとの請負契約で支払われる労務費の適正性を把握・指導してきた。ただ、労務費が最終的に技能者の賃金として支払われる際、適正な水準となっているか調査する手段がなかった。技能者からの通報のみですぐに是正指導の要否を決めることは困難だが、建設Gメンが調査の必要性を判断する材料とし、労務費ダンピングを防ぐことで適正な賃金水準の確保につなげる。
情報提供フォームには、技能者の年収や職種、所属する事業者の情報を入力する。年収については自己申告を基本としつつ、給与明細の提出も受け付ける。CCUS未登録の技能者向けに、技能者レベルではなく経験年数の入力も可能とする。
技能者が受け取る賃金の適正性を判断する際は、CCUSレベル別年収が重要なポイントとなる。公共工事設計労務単価が賃金として技能者に支払われた際のCCUSレベル別年収を、職種・地域ブロックごとに試算したもので、適正な賃金水準の目安となる。目標値と標準値を定めており、このうち標準値を下回る支払い状況の事業者については、発注者や元請けとの請負契約で労務費をダンピングしていないか、重点的に確認する。
国交省は現在、全国建設労働組合総連合の協力を得て、情報提供フォームの入力しやすさや提供する情報の精度向上に向けたシステム検証を進めている。
10月5日に開いた中央建設業審議会のワーキンググループでは、不正確な情報提供で現場を混乱させることのないよう、正確なデータ入力を担保できる仕組みを求める意見が事業者団体から寄せられた。有識者からは、オンラインでの入力フォームに不慣れな技能者を想定して柔軟な入力方法の確保や、AIにより市場水準から外れた賃金を検出する仕組みの整備を促す意見も出た。
試行運用版のシステムは10~11月から構築を進め、27年1月から運用を開始。並行してCCUSレベル別年収との連携や、セキュリティーの確保方策について詳細を詰め、27年度中にシステムの本格運用を開始する。
