業法改正後の取引実態把握 社保、元下、入契調査拡充
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国土交通省は、改正建設業法の全面施行後に、建設工事の取引実態や商慣行の変化を多角的に把握するため、受発注者を対象とした既存の調査を大幅に拡充する。社会保険の加入状況や賃金の支払い状況を把握するために毎年度実施していた「社保調査」では、見積書での歩掛を用いた労務費明示などの調査項目を追加。公共発注者を対象とした「入札契約適正化法に基づく実施状況調査」や、元下間の取引適正化に向けた「下請取引等実態調査」でも労務費明示やコミットメント条項の浸透状況を把握できるようにする。
社保調査は「見積書における必要経費の内訳明示状況等に関する調査」へと変更する。改正法で適正施工の必要経費とされた労務費、法定福利費、安全衛生経費、建退共掛金、材料費が適切に確保されているか把握する。対象は全国の建設業許可業者で、2025年度は6051者から有効回答があった。
特に、労務費については、見積書の中で歩掛とともに明示しているか調査する。価格交渉での「労務費の基準値」の活用や、契約時に受注者が発注者に対して適切な労務費・賃金支払いを約束するコミットメント条項の認知・導入状況も調べる。
コミットメント条項は、注文者と受注者の間だけでなく、下請け契約も含めて適切な支払いを約束する「条項A」と、注文者・受注者間のみで約束する「条項B」があり、それぞれの導入状況も確認する。
下請取引等実態調査では、元請け・下請けにそれぞれ取り引き状況を聞く特性を生かして実態を把握する。下請けに対しては元請けに労務費を明示した見積書を提示しているか、元請けに対しては提示された見積書を適切に考慮して価格を設定しているか確認する。
回答結果から、不適切な取引の恐れが確認された場合は是正指導を行う。25年度は1万9964者から回答を得た。
入契調査では、公共工事の入札金額内訳書で明示が義務付けられている労務費の適正性を確認するため、「労務費ダンピング調査」の実施状況を調べる。さらに、公共工事標準請負契約約款にコミットメント条項が盛り込まれたことを踏まえ、実際に工事請負契約で同等の規定を取り入れているか確認する。
中央省庁や高速道路会社などの特殊法人、全国の地方自治体が対象となる。技能者の労務費確保に率先して取り組むべき公共発注者の対応状況を確認する。
