中専協×中国地整 中堅層の処遇見える化が重要
広島
中専協と中国地整建政部との意見交換のようす(建政部長あいさつ)
国土交通省中国地方整備局建政部と協同組合中国建設専門工事業協会(福井正人理事長、中専協)は10月21日、意見交換会を広島市内で開いた。中専協は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の設置義務化をはじめ、特に中堅層の処遇改善の見える化などを通じてCCUSの実効性を高める施策の展開を要望するとともに、意見を交わした。
あいさつで、建政部の楠田勝彦部長は、広島建設アカデミーを通じて職業訓練や工業高校への出張教育の実施など、先駆的かつ意欲的な活動に取り組んでいる中専協に敬意を表した上で、建設業の担い手確保が喫緊の課題であり、建設業が社会に求めらる役割の重要性が増していると語った。
その上で、「地域の守り手として皆さんが安心して働き、誇りを持って次世代に技術を継承できる環境を整える」とし、「技能者の処遇改善をはじめとした制度の周知をはじめ、建設Gメンによる実地調査を通じて取引の適正化を強力に進めている」と述べた。
中専協に対しても「見積もりにおける適正な労務費の確保や必要経費の適切な積み上げなど、新たな商習慣の定着へご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
また、近年の記録的な猛暑に対し、「働き方改革は単なる労働時間の適正化にとどまらず、働く方のいのちと健康を守る取り組み」と強調。猛暑対策サポートパッケージについて、どの方法が各現場において最も適しているかなど、皆さんの意見を聞き、検証を進めていくのが重要だと話した。
CCUSの利用拡大について、「建設技能者の処遇改善に向けた重要な取り組み」だとし、「地方公共団体へのインセンティブ導入の要請、元請企業や民間発注者への周知や働き掛けを行い、CCUSの普及拡大に努めたい」と述べた。
中専協の福井理事長は、建設業にはさまざまな問題が山積しており、一つ一つクリアにしていかねばならないとした上で、「ただ、その問題はすでに個社で解決するレベルになく、業界を挙げて真剣に取り組まねば解決できない問題ばかりだ」という点を強調。
「建設業が若者に対して魅力がないかと言えば決してそうではない。やりがいのある仕事であるのは間違いない」と指摘。ただ「若者にその魅力をアピールしきれていないのが現状」だとし、業界を挙げての対応が必要だとした。
さらに今後の高齢者の引退を下の世代で補っていかねばならない中、「一番大事なのは、30~40代。この世代が今まで通り、建設業界に居続けてくれないと成り立たない」とし、他産業に行ってしまわない処遇をしていかねばならない点を強調した。
「30~40代が引き続き安心して働ける業界にわれわれがして、そうした環境・姿を見て、若者が業界に入ってこられる」と話し、国交省、地整にはさらなる指導力を発揮してもらい、ともに業界を素晴らしく安心してもらえるよう努力していきたいと、あいさつを締めくくった。
■CCUSの運用および活用について
CCUSへの技能者登録者数は、180万人(今年8月末)を超えたものの、依然登録する事のメリットがあまり感じられないという声をよく耳にするとし、建専連が公表しているレベル別・業種ごとの年収目安を実現する処遇改善が行われているとは言いにくい状況だと中専協は意見。
その上で、CCUSが安全書類の作成ポータルサイトとしての機能確立とカードリーダー設置義務化を求めた。また、活用面では、労務費調査の結果と建専連の年収目安との乖離度の確認およびその是正に向けての施策策定も求めた。この他、CCUSカード所持の場合に各資格証の原本所持の免除も要請した。
カードリーダー設置に関して、技能者にとって就業履歴の蓄積は自らの商品価値を上げることだしと、民間工事など中心に履歴を蓄積できないとなると商品価値を上げることができず、持つことのメリットに関わることだと強調した。
また、地場ゼネコンの中にはCCUSの理解度が低い会社もいまだにあると指摘。そういった事業者に対する制度の周知も求めた。
地整は、カードリーダーの普及と就業履歴蓄積が促進されるよう、各種取り組みが行われていると回答。また、資格証の免除は関係省庁と調整を進めているとした。運用・活用で中専協が提案した内容は、改善協議会を通じて本省各部署に伝えるとした。建設業振興基金も普及活動に尽力しており、地場ゼネコン対象の講習会を中国地整でも11月に行うと紹介した。
中専協は、CCUS加点に関して入札参加時だけでなく、出口調査も行い、現状の運用状況も評価して欲しいと求めた。また、民間もどれだけ真剣に取り組んでいるかと話し、普及への指導力発揮をお願いしたいとした。
■建設技能労働者の処遇改善について
中専協は、年間所得の大幅アップをはじめ、他産業並みの休日、休日稼働現場への割り増し分支払いの義務化、猛暑日・酷暑日の熱中症予防対策の基準策定、サマータイム導入や労働時間短縮に向けての弾力的な働き方の実現のための法改正の検討などを要望。
その他、職業選択における母親の考えの占める要素が大きいとの意見も示された。
地整は、本省でも就職に際して両親に対するアピールをどうしていくかは大切な問題だと認識、勉強会などを通じて検討している状況を説明した。
また、審議会を通じて労務費に関する基準を定め、工期についても週休2日制から一歩進み、猛暑対策サポートパッケージを含め工期の基準を運用している状況だとした。
これに対する実効性として、建設Gメンで工期の基準も調査、ダンピングや所得の改善などへの調査に引き続き取り組むとした。厚生労働省ともに連携、元請にアピールしていくとした。
