国交省・関東地整 水道運営自治体と初の意見交換会

東京【2026/10/29 東京版に掲載】
 国土交通省と関東地方整備局は10月27日、水道事業を運営する管内7市町村の首長や管理者と意見交換会を開いた=写真。水道行政が国交省に移管されてから初の開催。首長らは老朽化した管路や浄水場などの更新を進めるため、国に財政支援の拡充や補助要件の緩和、技術的・人的支援を求めた。国交省は自治体の要望を受け止め、2027年度予算の編成に向けて財務省と協議していく考えを示した。  意見交換会は24年度に水道行政が厚生労働省から国交省に移管されたことを受けて、水道事業を運営する市町村の実情や施策の実現に向けた課題を直接聴取する目的で開催。水道事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、今後の水道行政の円滑な推進を図る狙いがある。また、関東地整では12年度から24年度まで2年おきに、下水道事業を対象とした市町村長との意見交換会を開いてきた。  首長らが意見交換会に臨んだ7市町村は▽大洗町(茨城県)▽宇都宮市(栃木県)▽沼田市(群馬県)▽東秩父村(埼玉県)▽香取市(千葉県)▽三宅村(東京都)▽真鶴町(神奈川県)―で、老朽化対策などの取り組みを踏まえて各都県が推薦した。比較的小規模な自治体が多く、事業の広域連携や官民連携を検討する以前に、職員や財源の不足により必要な事業を進められないといった課題を抱えているという。  会合の中で首長らは、人口の減少や節水機器の普及によって水需要が減り、料金収入が限られる一方、施設の老朽化に伴って維持管理や更新に必要な費用が増えていると説明。水道料金の値上げにも限界があるため、補助金・交付金の拡充や採択要件の緩和を求めた。具体的には、国の「防災・安全交付金」などは予算枠に限りがあり、自治体が必要とする事業に十分な支援が行き届いていないとしている。  首長らの主な発言を見ると、大洗町は老朽管の更新に対する交付金の拡充や、基幹施設の耐震化にかかる財政支援を要望。老朽管の更新期間を当初の20年から10年に短縮して進めた取り組みも紹介した。宇都宮市は老朽管路の更新に関する課題や目標を説明し、補助制度の拡充を求めた。  沼田市は浄水場更新事業の推進に向け、財政支援や補助要件の緩和、技術的支援を要望。東秩父村は小規模自治体の施設更新への財政支援を求めるとともに、地すべり防止区域内での施設更新に言及した。  香取市は施設の統廃合や管路の更新を課題に挙げて交付金の採択基準の緩和を要望。三宅村は管路更新や施設運営に関する課題を説明し、経営基盤の強化に向けた取り組みを紹介した。真鶴町は技術職員の不足や老朽化の進行といった課題を示しながら、事業の持続的な運営に対する支援を求めた。  一方、国交省側は、▽7月の熊本地震や8月の千葉豪雨への対応▽27年度上下水道関係予算の概算要求▽水道の基盤強化や広域連携の動向―などを説明。その中で関東地整は災害対応に関して、人員の派遣や事業者の紹介といった国の仕組みを積極的に活用してほしいと呼び掛けた。