フィジカルAIの重点分野 機械施工、人力作業支援で

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 国土交通省は、機械施工と人力作業支援の2分野を主要なターゲットとして、フィジカルAIを現場に導入する。機械施工については、既に遠隔・自動施工などの現場実装が始まっており、今後は普及方策を議論。一方、土木現場向けの人力作業支援を担うフィジカルAIは、これから開発に着手する。11月下旬にも立ち上げる官民コンソーシアムで、技術開発に向けた環境整備について話し合う。直轄工事現場を実証フィールドとして活用することも視野に、官民で具体化を急ぐ。  国交省は、9月にインフラ分野のフィジカルAI戦略を公表し、将来的な担い手不足をはじめとした現場の課題解決に生かす方針を打ち出した。土木工事は地形や構造物、施工条件が現場ごとに異なるため、施工を自動化することが難しかったが、周辺を観測して自律的に稼働するフィジカルAIをその突破口としたい考えだ。  特に機械施工でのフィジカルAIについては、導入に向けた下地が整いつつあると見る。25年度には9件の直轄工事で自動施工を適用し、うち5件をC等級が受注するなど、地域建設業が活用する事例も出始めている。一定のルールに沿って自律的に稼働する建機から、オペレーターの挙動などを学習して周辺環境に応じた動作が可能なフィジカルAIへの転換と、その普及に向けた現場ルールの整備が今後の課題となる。  人力作業支援は、現在人間が行っている作業や資機材の運搬、巡視・点検などにフィジカルAIを活用することを想定。作業の幅が広く、働く人の暗黙知に支えられている部分も多く、優先的に導入する作業の絞り込みや、学習用データの整備が重要になる。  国交省は、フィジカルAIの開発に際し、業界全体で足並みをそろえて取り組むべき協調領域を設定=図。これを踏まえ、AI開発企業やスタートアップ企業、研究機関と連携するコンソーシアムへの参加者を公募しており、同月下旬にも初弾の会合を開く。  AIの性能を高めるには、学習用のデータが重要になるため、コンソーシアムで共通のデータ形式を整備することを検討。フィジカルAIの動作時に必要な通信の仕様や、作業の安全を担保する方法も検討事項となる。国交省は、直轄工事現場など実証環境の提供や、現場導入する際の基準類の整備といった役割を担う。  一方、高度なAIモデルの構築や施工ロボットの製品化、施工計画ソフトウエアの開発などは個社がそれぞれ取り組むべき競争領域と位置付ける。