Focus 司令塔組織、防災庁が発足 国難級地震への体制強化

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能登半島地震で被災した石川県輪島市。国民の命を守る事前防災の強化が求められている。

 きょう11月2日、事前防災の推進から発災時の災害復旧までを一貫して担う司令塔組織、防災庁が設置される。この設置を見据えて2026年度当初予算で創設された「防災力強化総合交付金」で地方自治体の防災力向上を支援する他、衛星やAIを活用して被災状況を把握する「防災技術」の研究開発を加速させることで、国全体の防災体制を強化する。南海トラフ地震や首都直下地震など、国難級の災害の発生が迫る中、防災庁に求められる役割は大きい。  防災庁設置法には、防災庁の所掌業務として、首都直下地震や南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震などへの対応が位置付けられた。南海トラフ地震では、神奈川県から鹿児島県までの広い範囲で震度6弱以上、一部の沿岸域では震度7の地震動も想定される。直接死は最大29・8万人、災害関連死は最大5・2万人にも上るとされている。中央防災会議が25年7月に決定した「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」では、死者数29・8万人を8割減少する目標を設定した=表。  こうした国難級の災害に備えるためには、十分な事前防災対策が必要だが、防災庁の前身となる内閣府防災担当は、全国各地で頻発化する災害への対応に追われ、継続的に対策を検討することが難しかった。防災庁は、職員数を現在の1・6倍に相当する352人に拡充し、目の前の災害対応に当たりつつ、事前防災対策も検討できる体制を構築する。  防災庁が災害対応の司令塔とされる理由は、各省庁を俯瞰(ふかん)し、防災対策を推進する役割を担うことにある。対策の実効性を確保するのが、防災大臣に与えられる各省庁への勧告権だ。細野豪志防災担当相は10月の会見で、防災庁が発足する2日に各省庁や地方自治体、国民に向けて緊急要請を出す考えを示した。きょう2日に初代防災相に就任する細野防災担当相は、「勧告権を抜かずの宝刀にする気はない」と断言し、必要にならば躊躇(ちゅうちょ)せずに勧告権を行使する考えを示す。  防災力強化総合交付金は、地域単位での減災を果たすための災害リスク評価や、自治体間の広域連携体制の構築を支援する事業。27年度当初予算の概算要求には、26年度当初予算の4倍となる140億円を盛り込んでいる。  防災技術の研究開発に関する予算も、27年度概算要求では、26年度当初予算から大幅に増額する225億円を要求。産官学民が連携した防災技術の開発から現場実装までを支援する。防災技術の例としては、人工衛星データを活用した漏水検知といったインフラ老朽化対策技術の他、被災現場で自動施工・遠隔施工が可能な建設機械などが挙げられる。