茨木市 市民会館跡地エリア第2期整備に向け9者に調査

大阪

市民会館跡地エリア第2期整備の対象地

 茨木市が行った中央公園(市民会館跡地エリア第2期整備)のPark―PFI活用に向けたサウンディング調査に9者が参加し、事業の規模感や事業スケジュールなどについて提案した。整備対象となる区域は、市役所や文化・子育て複合施設「おにクル」の北側に位置する中央公園内の約5300平方㍍。市は、調査の結果を踏まえ、26年度にPark―PFIと指定管理者制度の活用により管理運営を行う民間事業者の公募を実施する予定だ。  サウンディングに参加した事業者は、特定非営利活動法人いばらき市民活動推進ネット、積水ハウス(大阪市北区)、JR西日本アーバン開発(神戸市東灘区)、阪神園芸(兵庫県西宮市)、日比谷アメニス大阪支店(大阪市西区)と他4者。  参加事業者からの主な意見として、事業を公園施設単体で完結させるのではなく、中央公園グラウンドや地下駐車場、元茨木川緑地などの周辺施設との一体的な利活用・連携を図ることの重要性が強調された。  市が示した約100人規模の飲食店については、屋内空間のみではなく、屋外空間との一体的な活用によって可能という意見があった。  任意提案施設では、公園のにぎわいや地域とのつながりを図るため、飲食や物販などの利用者接点となる施設の導入可能性の提案があった。テラス席や屋外空間を活用した休憩・滞在機能の充実を図ることで、回遊性向上や地域イベント・催事との連携を図る。また、おにクルとの関係性を踏まえ、視認性や誘導計画の工夫、敷地形状を生かした立体的・段差的な空間提案により、施設間の相互補完性を高める。  中央公園敷地の分断的な構成に対して、空間的・心理的なつながりを持たせる設計上の工夫が必要だと指摘があった。視界を開く配置計画や、歩行者の滞留・誘導を意識した動線設計、既存施設との接続性を高める構造的配慮が求められる。高低差のある敷地形状を生かし、歩行者が自然と各エリアを行き来できるような段差処理や視覚的連続性を生む工夫が重要との声もあった。合わせて、バリアフリー対応や回遊性のある園路構成、視認性の高い案内機能など、ユニバーサルな視点からの改善についても提案があった。 ■周辺施設との連携で相互誘客  施設イメージの方向性では、にぎわいや滞在性を高める場づくりを主眼に、季節や天候を問わず柔軟に活用できる屋根付き空間や、自然との親和性を意識したデッキ・テラスなどが挙げられた。「おにクル」や元茨木川緑地、北側グラウンドとの連携や、相互誘客の可能性を踏まえた配置計画が重要だとされた。  福祉文化会館(茨木市駅前4ノ7ノ55)の解体については、市が別途実施するため、工期や着手時期の目安の共有が求められた。また、福祉文化会館の改修による活用可能性の検討を求める声もあった。  サンクン(窪地)の活用については、段差や高低差に起因する動線処理やバリアフリー対応の難しさ、視認性の課題といった制約を生かすことで、ストリートスポーツやアクティビティ空間としての展開も考えられる。 ■26年度に事業者募集へ  市は調査結果を踏まえ、26年度に公募設置等指針を策定し、事業者の募集を開始する。26年10月ごろまでに事業者を選定し、27~28年度に施設の設計・工事を行い、29年4月から供用開始する計画だ。  中央公園(茨木市駅前4ノ7他)の面積は約2㌶。用途地域は商業地域。Park―PFIを想定した建ぺい率は12%、容積率は400%となる。