データでたどる 技術検定試験(4)若年層増加も合格率は低下 変わる技術者のキャリアパス

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 技術検定試験の受験要件が若年層に対して緩和され、一時は減少していた受験者数が増加に転じている。これに伴い、合格者数もここ数年は増加傾向だ。受験要件見直しの目的は受験者数を回復させ、建設業法上の監理技術者・主任技術者として現場で活躍する技術者の確保にある。直近2024年度の1級技術検定の全7種目の最終合格者は、4年ぶりに合計で3万人を超えた。  24年度の1級第1次検定では、受験要件から学歴・実務経験が廃止され、各種目の受験者数は全種目で前年度の受験者数を大きく上回った。ただ、最終合格者数が全体として増加傾向にある一方、種目別で見ると、受験者数と同じように合格者数が増えているわけではない。  24年度の第1次検定の受験者数は、1級土木で前年度比55・5%増の5万1193人、1級建築で56・4%増の3万7651人といずれも大幅に伸びた。ただ、合格者数は、1級土木が39・2%増、1級建築が36・0%増と受験者数と比べると伸び率は低い。  各年度の試験問題の難易度も影響しているとは言え、合格率が低下した背景には、これまで受験資格のなかった実務経験のない20代前半の受験者数が増え、前年度よりも合格率が低下したことがあると見られる。特に20代の全7種目の合格率は低下した。24年度の第1次検定の合格率は「25歳未満」で54・2%から41・4%、「25~29歳」で55・5%から50・2%へと低下している=グラフ参照。  長期的に見ても、若年層の受験者数が増加する一方で、合格率が低下する種目が目立つ。  例えば、1級土木の第1次検定の合格率は21年度から4年連続で低下した。21年度の技術検定再編により、試験問題が大きく変更された影響もあり、2020年代に入って合格率は低下している。  しかし、20代の合格率は24年度に低下したが、それでも30代以上の合格率と比べると高い傾向にある。  技術検定は、ここ数年の制度改正によって、若年層により受験しやすい制度になった。建設会社に就職したばかりの20代の技術者は、仕事・育児に追われる30代と比べると、受験準備に時間を割くことができる。  これを追い風として、施工管理技士の資格を取得する若年層がさらに増加し、資格取得後に現場で実務経験を積んで技術者としての研さんを高める、新しい建設技術者のキャリアパスが構築されることも期待できる(この連載 了)