知りたい 防衛施設の強靱化(4)〝秘密の案件〟は情報管理徹底 設計図面、保全施設で管理

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宮城県の松島基地にあるブルーインパルス格納庫

 防衛省が発注する建設工事と業務の中には、いわゆる〝秘密の案件〟と呼ばれるものがある。秘密の指定を受けた案件の受注者には、通常よりも厳重な情報管理が求められる。こうした案件があると、防衛省の受注実績のない企業は入札参加を控えることもあるかもしれないが、実際には、年間700件の発注工事のうち、秘密の案件は数える程度しかない。防衛省の発注工事・業務に求められる情報管理とは、どのような水準のものなのか。  一般的な庁舎・隊舎の建設工事や業務は、秘密指定の対象にはならず、通常の建設工事や業務と同じく、受発注者の契約条項として、守秘義務が課される。基地内の施設などをスマートフォンなどで許可なく撮影し、SNSにアップするといった行為は当然禁止される。  秘密の案件に指定されるのは、秘密に該当する施設の設計図を扱う建設工事や業務。具体的には、防衛施設にある司令部の地下化や、主に戦闘機の防護を目的に設置する、えん体(シェルター)などを指定する。  受注者は、秘匿性の高い情報を管理するため、一定の基準を満たした「秘密保全施設」を整備し、その内部で設計図面を作成・管理する必要がある。秘密保全施設に立ち入り、設計図面を取り扱う作業者は必要最小限に限られ、発注者の許可を得る必要もある。秘密保全施設内に携帯電話などの電子機器を持ち込むことも禁止されている。  厳重な管理が必要になる書類は設計図面だけではない。施工中に撮影した写真や、作成した資料も秘密情報として扱われ、金庫で厳重に保管しなければならない。  施工現場でも対策の徹底が求められる。秘密に指定された区画は、外部から見えないように仮設の塀などで囲い、出入り口には警備員を配置。立ち入りは許可を受けた者に制限する。契約書には秘密保全に関する違約金条項も盛り込まれる。  事業者の不十分な管理により秘密が漏れた場合、指名停止や工事成績の減点といった措置に加え、「防衛生産基盤強化法」に基づき、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される場合がある。  防衛省の発注工事でも、外国人技術者・技能者が従事することは「建設業界で技術者が不足している以上、外国人労働者の労働力は必要だ」(防衛省整備計画局施設計画課)として、認めている。ただ、秘密保全の観点から、受注者には外国籍の作業者が、自衛隊施設などの駐屯地や基地に立ち入る際には、在留カードなどによる本人確認を求める。駐屯地や基地ごとに定めている入門に関する規則に従う必要もある。