阪神高速 先進の道路サービス具現化へグループビジョン・中期経営計画を策定

大阪

会見する上松社長

 阪神高速道路会社は、同社のグループ理念〝先進の道路サービスへ〟の具現化に向け、「意志ある未来」を示した『阪神高速グループビジョン205X』を策定した。また、その実現に向けた2026~28年の取り組みについて、中期経営計画に盛り込んだ。4月14日の記者会見では、上松英司社長がビジョンについて説明。担い手不足への対応が重点テーマとした上で、「業務の効率化や生産性向上を進めていく。一方で、こうした取り組みは現場で働く人の安全と健康があって成り立つ。安全・安心に働くための対策を徹底していきたい」と話した。  新たなグループビジョンでは、概ね10年後の実現イメージなどを設定。将来の在りたい姿・在るべき姿として、自動車のための高速道路から「多様な機能を提供する都市インフラ」への進化を掲げた。高速道路を活用したまちづくりとして、物流拠点やスマートシティなど、新たな街の在り方を提案する。また、再生可能エネルギーを含む電気や通信・情報処理など、暮らしを便利にするインフラ基盤として、阪神高速の施設・空間を多目的に利活用することなどを盛り込んだ。 ■PROZITは全工事に導入拡大へ  中期経営計画には、グループビジョンの具体的な実行計画を示した。淀川左岸線(2期)、淀川左岸線延伸部、大阪湾岸道路西伸部、名神湾岸連絡線の着実な推進や、大規模修繕事業により道路機能を長期かつ安定的に維持させる。15号堺線の湊町付近では、鋼製基礎の防食対策や維持管理空間を確保するため、腐食対策やコンクリートボックスの設置などを行う。11号池田線の加島付近では、鉄道を跨ぐ連続鋼製橋梁を対象に橋桁を連続化する。ゲルバーヒンジ部を連結化することで連続橋へと構造改良し、維持管理性の改善や長期耐久性・耐震性の向上を図る。  生産性の向上や全体の最適化では、受発注者間での円滑な情報共有や各種手続きの簡素化・効率化する阪神高速版調達ポータル(PROZIT)と、工事中の書類手続きなどをクラウド上で共有する工事情報等共有システム(Hi―TeLus)を活用する。両システムにより、工事などの調達時の競争参加資格申請から契約までの一連の手続き、契約後の連絡・調整や書類のやり取りなどをシームレスにオンライン化させる。Hi―TeLusは導入済みでPROZITについては25年度に3件の工事で試行していたが、26年度から全ての工事に導入範囲を拡大し、将来的には業務への導入を目指す。  また、維持管理業務の効率化・高度化にも取り組む。分散している点検や補修、交通データを整理・高度化・統合し、データベースの精度や網羅性の向上とシステム間連携強化を進める。維持管理情報のプラットフォームを整備し、そこにAIも活用することでデータ駆動型の予防保全を実現を目指す。交通量と構造物の劣化状況などから工事箇所や内容、補修時期を最適化することで現場作業の効率化・省人化を図る。