建設業界のM&Aとは【第2回】M&A成立までの流れ① 検討・準備段階

企業の経営課題解決と従業員の雇用を守るためにすべきことは何か、日々頭を悩ませていることであろう。特に後継者不在の企業において、M&Aによる事業承継が有効な選択肢となることが多い。実際のM&Aの流れを理解し、自社にとって有効か検討するとよいだろう。
M&A成立までの流れは、「検討・準備段階」「打診・交渉段階」「最終段階」に分かれる。「検討・準備段階」の流れは下記の通りである。
①M&Aの検討・目的の明確化
②M&Aの専門家へ相談
③資料作成・提供
④企業価値評価(売却価格)の算出
⑤相手先の選定
①M&Aの検討・目的の明確化
M&Aは準備から成約まで半年から1年程度かかるため、早期から戦略を立て準備を始める必要がある。まずは自社の現状を冷静に分析し、経営課題を洗い出し、M&Aが最適な解決策か検討する。有効であると判断した場合、自社の強みとM&Aの目的を明確にし、M&Aを進める上の判断基準を定めるとよい。
②M&Aの専門家へ相談
M&Aは単なる売買ではなく財務・税務・法務などの高度な専門知識が必要となるため、専門家にサポートを依頼するのが一般的である。M&Aの専門家は、M&Aアドバイザー、公認会計士、税理士、弁護士などが挙げられる。これらの専門家は、企業価値の算定、契約書の作成、交渉など多方面にわたるサポートを提供する。実績豊富な専門家であれば、過去の実績を基に、企業提携の成立に導く戦略的なアドバイスを受けられるだろう。
③資料作成・提供
M&A専門家に依頼する場合、秘密保持契約を締結したうえで、決算書や事業フローなどを提出し、企業情報を整理した企業概要書を作成する。企業概要書の情報をもとに「ノンネームシート」(企業名以外の概要やM&A条件など)を作成した上で、譲り受け企業候補に打診を行い、関心を示した候補先にだけ、企業概要書を開示する。
④企業価値評価(売却価格)の算出
企業価値評価は時価総額とは異なり、将来発生する収益を見込んだうえで算出される。企業価値評価の方法には、コストアプローチ・マーケットアプローチ・インカムアプローチなどの種類がある。どの手法を用いるかは業界や企業の特性に応じて決定されるため、M&Aの専門家と相談し、最も合った方法で企業価値評価を算出するとよい。
⑤相手先の選定
M&A仲介会社から提案される企業候補から、業界の相性、企業文化の適合性、財務状況などを総合的に判断して最適な相手を選定する。選定後、交渉をサポートする専門家のサポート得て、最終的の締結を目指す。
