高市新内閣と予算編成改革 国土強靱化の道筋つけるべき

 第2次高市改造内閣が9月17日、発足した。2026年10月の就任後、危機管理投資と成長投資による強い経済の実現を目指した高市早苗首相は「補正予算依存からの脱却」や「シーリングの廃止」などの予算編成改革を進めている。新内閣が年内に仕上げる27年度当初予算案はどのようなものになるのだろうか。
 「『強く豊かな日本』投資枠」でのシーリングの廃止、補正予算に頼らない予算編成により、一般会計の概算要求総額は143兆円と過去最大になった。内閣改造に先立ち、高市内閣は来年4月から食料品の消費税を1%に減税する方針を示しており、来年度予算編成と減税分の財源確保は一体のものになる。
 補正予算分を上乗せしたことで、公共事業費の要求額も前年度の当初予算を大きく上回った。国土交通省の要求額は前年度当初予算と比べ45・0%増だ。ただ、第1次国土強靱化実施中期計画の関連予算は、要求額を示さない事項要求としており、27年度当初予算案がまとまる年末まで、実際の予算規模は明らかにならない。
 他分野の予算でも増額要求されていることや、消費減税の財源確保が必要なことも考えると「従来よりも予算の査定は厳しいのではないか」との見方もある。
 しかし、この夏に日本各地で発生した災害は、多くの国民の生命を奪い、生活を脅かした。7月の熊本地震の被害や線状降水帯がもたらした浸水被害を見れば、国土強靱化の緊急性が高いことは明らかだ。この分野に厳しい予算査定など本来できるはずはない。
 国民の生命と財産を災害から守るためには、強靱なインフラ構築のための事業量を増やさなくてはならない。物価上昇分が反映されず、事業量が目減りしている今の状況を放置すべきではない。
 第2次高市改造内閣の国土交通相には井林辰憲氏が就いた。井林氏は同省の技官出身。公共事業の効果、国土強靱化の重要性は熟知しているはずだ。高市首相は17日の会見で「国土強靱化」と「インフラの老朽化対策」に取り組むよう、新大臣に指示した。
 高市内閣の予算編成改革は、補正予算に頼らず、恒常的な事業を当初予算で措置することを目指すものだ。今後の公共事業の在り方を考えれば、今回の予算編成の重要性はこれまでと明確に異なる。27年度当初予算は、新大臣を先頭に、国土強靱化に道筋をつける予算にしてもらいたい。