縮小する公共投資(5)安定財源 税収か建設国債か 「当初予算化」にある障壁

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 防衛関係予算は、2026年度当初予算で9兆円を超えた(米軍再編経費含む)。防衛力整備計画に基づき、防衛関係予算は23年度以降、大幅な増額を繰り返している。それ以前は5兆円をわずかに上回る規模で推移し、公共事業費を下回っていた。一方、法人税や所得税の上乗せ分を財源とすることが決まった防衛関係予算と異なり、財源に裏付けのない公共事業費は6兆~6・1兆円の横ばいが続いている=グラフ参照。  「安定財源を前提に当初予算で見通しを持って着実に進めていくことが必要ではないか」。4月に開かれた有識者会議で、財務省はインフラ老朽化対策に安定財源を確保する必要性を指摘した。  高市内閣は、発足当初から補正予算に依存する近年の財政運営を見直す方針を示している。埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故により、再び危機感が高まるインフラの老朽化対策など、国土強靱化関連予算についても、当初予算への計上を求める業界の声もある。  補正予算は、税収の上振れ分などを財源とし、政策の色も濃く出るため、予算規模が年度によって異なる。一方の当初予算は、恒常的な事業が多いため、補正予算に比べると変動が少なく、削減もしにくい。公共事業費が当初予算で横ばいとなり、補正予算で各年度の規模が決まっていることにも、こうした背景がある。  財務省は、当初予算での予算増額の前提として、予算の裏付けである財源の確保を各省に求めている。農林水産省は、日本中央競馬会の収益を国庫に納付させる関連法を今年3月に成立させた。農地の大区画化などの財源に充てる。国際観光旅客税も7月に引き上げられ、訪日外国人旅行客の急増に合わせた観光資源の充実やオーバーツーリズム対策の財源となる。  公共事業費にも財源確保の動きはある。政府の第1次国土強靱化実施中期計画には、受益者負担を念頭に財源確保を検討するとの一文が盛り込まれている。計画の事業規模は5年で「20兆円強」。初年度分の事業費は25年度補正予算に計上されたが、安定財源が確保できれば、毎年度の当初予算への事業費計上に近づく。  公共事業関連では、ガソリン税の暫定税率が道路特定財源として活用されていたが、09年度に一般財源へと移行。昨年末にはこの暫定税率も廃止された。道路の老朽化対策にガソリン税を充てれば、受益者負担の観点から合理性・公平性はある。ただ、中東情勢の悪化に伴い、補助金でガソリン価格の上昇を抑制している今の状況では、こうした議論を進めることも難しい。  ただ、公共事業には、そもそも他分野と異なる財源が整えられている。財政法では、公共事業費の財源に充てるため、例外的な財源として建設国債の発行を認めている。60年償還の建設国債を財源とすれば、公共事業で整備するインフラは、将来世代にも受益をもたらし、世代間の負担を公平にすることもできる。  建設国債は、不足する予算を補う「赤字国債」とは明らかに異なる。国民の財産として将来世代にもサービスを提供できるよう、建設国債の発行額を増やし、インフラを適切に維持する必要があるのではないだろうか。