連載『建築士試験が変わる』

 改正建築士法は公布から3年以内に施行されます。新しい試験制度について関係者に取材し、今後の建築士試験の受験動向について考える「建築士試験が変わる 次の世代を呼び込む」を解説します。
(全5回)
(1)在学中の受験解禁、影響は

(1)在学中の受験解禁、影響は

建築士の高齢化が急速に進んでいる。国土交通省の調べによると、60歳以上の1級建築士は、2008年に全体の12%だったが、24年には44%まで上昇した。建築士事務所に所属する建築士が今後30年で半減するとの推計もある。

(2)資格目指す若手、取り残さない 資質を確認できる試験に

(2)資格目指す若手、取り残さない 資質を確認できる試験に

改正建築士法の柱は、在学中に建築士試験の受験を認めることにある。次世代の建築士の担い手を確保するため、学生の卒業を待たず、建築を集中的に学んでいる時期に試験に挑戦できる仕組みを整える。制度設計の土台にあるのは、若い人材が資格取得をあきらめることが、担い手確保の機会損失になるという考え方だ。

(3)将来の建築界、どう描くか 制度見直し「長期的視点が必要」

(3)将来の建築界、どう描くか 制度見直し「長期的視点が必要」

建築士を増やし、その先にある建築界の将来をどのように描くか―。改正建築士法は、学生が在学中に建築士試験を受験できるようにし、建築を志す若者を後押しする。ただ、日本の建築界を将来にわたって支える人材をどう教育・育成するかという課題は残る。

(4)若年化に備える資格学校 大学、企業との連携も視野に

(4)若年化に備える資格学校 大学、企業との連携も視野に

総合資格が建築士の有資格者を対象に行ったアンケート調査によると、建築士の資格を取得するまでに2年以上掛かった1・2級建築士は全回答者の半数に上った。合格までに数年掛かることも珍しくない難関国家資格の建築士試験では、法令の最新動向や過去の出題傾向を学ぶため、資格学校に通う受験者が大半だ。

(5)建築設備士の地位高める 法改正で次のステップへ

(5)建築設備士の地位高める 法改正で次のステップへ

省エネ需要が高まり、建築設備の重要性が増す一方、その設計を担う建築設備士は減少し続けている。実務に携わる75歳未満の建築設備士は、この10年で5000人以上減り、現在は2万人を下回る=グラフ参照。